顧客への提案に限らず、上司への報告、エレベーターでの会話、カラオケの選曲……。このすべてが自身の「プレゼンテーション」だ。高所得者と平均的な所得者に対する調査から、相手を動かせる人、動かせない人の差が明らかになった。

特定のビジネスマンに求められる能力ではない!

プレゼンテーションとは、相手にこちらの意に沿って動いてもらうための“提案”である。命令や強制とは異なり、こちらの要望を理解したうえで納得してもらわないと話が進まない。

このプレゼンテーション能力とは、営業担当者など特定のビジネスマンだけに求められるスキルではない。誰もが相手に自分の考えを正しく伝え、動いてもらう必要がある。

今回、高所得者のプレゼンテーションの極意を探るために、年収2000万円前後の200人と年収500万円台の300人に「社内でのアピール方法」、社外の人向けの「プレゼンテーション前の準備」「プレゼンテーション本番でのテクニック」、そして相手との関係構築のためには欠かせない「接待」の4つの分野についてアンケートを実施した。

調査概要:2008年6月13~16日にインターネットを通じて調査を実施。個人年収500万円以上600万円未満300人(うち男性89.0%)と1800万円以上200人(同88.5%)より回答を得た。

<strong>プレゼン格差<1></strong>上司に対して「必ず良いニュース」から報告する人の割合は(%)
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プレゼン格差上司に対して「必ず良いニュース」から報告する人の割合は(%)

上司に案件の進捗状況などを報告するとき、2000万円を稼ぎ出す人は「必ず良いニュース」(21.5%)と結論から始める人が500万円台の人より約14ポイント多い。(プレゼン格差1)。

私自身は、ビジネススキルを軸とした研修・コンサルティングサービスを手掛ける会社の代表だが、部下から「報告があるんです」と切り出された場合、必ず「いい話か悪い話、どっち?」と結論を最初に尋ねる。「営業中のA社の案件ですが、先方からこんな話があり、私はこう答えたのですが……ということで、結局はだめでした」という結論が最後にくる話の展開だと、最初は期待しながら聞いていただけに最悪の気分になる。上司の期待を裏切らないためにも、結論は最初にはっきりさせておくべきだ。

自分が手掛けた仕事の実績を報告する際は、「実績報告を大きく言う」人が500万円台では3.3%しかいないのに対して、2000万円を稼ぐ人は11.5%と、「能ある鷹」が「爪を隠していない」という現実が垣間見える(プレゼン格差2)。

<strong>プレゼン格差<2></strong>上司に実績を報告するときは「大きめ・正しく」vs「小さめ・堅く」 伝える
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プレゼン格差上司に実績を報告するときは「大きめ・正しく」vs「小さめ・堅く」 伝える

私自身、経営者となってからは「実績を大きく報告する」理由が理解できるようになった。「仕事の実績もたいしたものがないので」などと謙虚さを美徳として控えめに話していたら、いまどきの従業員は誰もついてこないし、顧客からのビジネスの話も舞い込んでこない。

うそのない範囲で実績を大きめにアピールすることは、ビジネス上重要だ。わが社も創業期は実績が少なかったため、「三菱商事さん、NECさんなどでの研修実績があります」とよく引き合いに出した。全従業員を対象に研修をしたわけではないが、「それならぜひうちでも」と関心を持ってもらえる場合が多かった。