目上の人の心を動かしたいなら、相手の性格を鋭く見抜き、戦略的に対応するのが早道。『超一流の雑談力』の著者・安田正さんが、5タイプ別の上司の見分け方と、雑談の効果的な使い方を伝授します。

タイプ5:控えめな八方美人 -悩みを聞き出し、会話をリード

▼安心をアピールできるブランドの力を利用しよう

イラスト=白根ゆたんぽ

人当たりがよく、話しやすいのですが、常に周りの反応を気にし、自分の意見は決して言わない。八方美人な彼らは、一人で決断するのが大の苦手。「前例がありません」とお役所的な対応をしたり、「力不足ですみません」と責任から逃れようとします。「○○さんの意見はどうなんですか?」と迫ったり、「チャンスは今です!」などと決断を急がせると、警戒して心を閉ざしてしまいます。

リスクを負いたくない彼らに有効なキーワードは「安全」です。

「この方は○○大臣の推薦なので、セミナー講師に適任ですよ」「このシステムは○○(大企業)も採用しています」など、安心できる要素を盛り込むのが効果的。一言でいうと「ブランド」に弱いのです。堅実で安全だからというのがその理由で、特に老舗の国産ブランドを好みます。学歴にも弱く、「有名大卒のあの人が言うなら大丈夫」「あの人は三流大学だから不安」と判断します。

接し方としては、なるべくトラディショナルな服装で会うのがおすすめです。話す際は、相手のテンポに合わせましょう。沈黙が生じても焦る必要はありません。悩みを聞き出し、「お気持ちはよくわかります」と共感を示したり、「一緒にやりましょう!」とこちらからリードすると効果的です。

このタイプが上司になると部下は不幸ですが、裏を返せば能力が低い人でも偉くなれるほど、会社や組織が安定しているという証拠。出世は難しい反面、家庭を大切にする人が多いので、配偶者にするなら悪くないと思います。

▼6つ以上あてはまったらこのタイプ!
□ 目立つ服装は好まない
□ トラディショナルな服装を好む
□ 一見、センスのよさを感じさせる
□ 相手の顔色をうかがいながら話す
□ 姿勢を正し、相手に従順な反応を示す
□ よくうなずき、聞き役に回ることが多い
□ 話の内容が脈絡なく変わっていく
□ 時折、自分を卑下するようなことを言う
□ 一人ではなかなか決断できない
□ 大企業や有名人のブランドに弱い
□ リスクをとることを嫌がる

安田 正
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。早稲田大学理工学術院非常勤講師。ロジカルコミュニケーション、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などの領域で講師、コンサルタントとして活躍中。30万部超のベストセラー『超一流の雑談力』(文響社)など、著書も多数。