SOLホールディングス(JASDAQ上場/証券コード6636)は、2012年よりスーパーソルガム事業を展開。「環境、食、エネルギーという地球規模の課題解決に貢献する企業を目指しています」。こう語るのは、15年7月に社長に就任した赤尾伸悟氏だ。今年10月1日には社名変更し、ソルガム・ジャパン・ホールディングスとして新たなスタートを切る。
株式会社SOL Holdings
代表取締役社長兼CEO
ゼネラル・エレクトリック社(GE)金融部門、新生銀行グループを経て2012年SOL Holdings入社。13年同社執行役員、15年SOL ASIA HOLDINGS代表取締役社長兼CEOなどを経て15年7月より現職。
スーパーソルガムとは何か──。ソルガムはエチオピア原産のイネ科の植物だ。ソルガムを伝統的な交配やゲノム情報を活用した最先端の技術など、いずれも遺伝子組み換えを伴わない方法で品種改良。やがて構築されたソルガム集団の中から、目的や地域ごとに最適なソルガムをスピーディに選抜する。こうして選ばれたソルガムの数系統をスーパーソルガムと呼ぶのだ。
選抜が適切であれば、2.5~4カ月で高さ約5メートルに達する系統もあり、年3回の収穫も実現し得る。用途はサイレージ(畜産用の乳酸発酵飼料)、液糖、バイオエタノール、発電用バイオペレットの原料など、実に多様で、まさに未来を拓く資源作物である。
「当社グループは、スーパーソルガムのF1品種(※)の種子をメキシコ、タイ、ベトナムなどで独占販売する事業を、栽培方法や活用法などのコンサルティングとあわせて、中核事業に位置づけています」
メキシコで認められいよいよ事業が本格化
今春には、メキシコ合衆国の農畜水産農村開発食糧省が、同国におけるスーパーソルガムの栽培を推奨すると発表。さらに、同国の全国畜産業者組合連合会ハリスコ州支部との間では、今後3年間で計6200トンの種子の販売予約が確定した。3年目には同国における栽培面積が50万ヘクタール(※)(約15億坪)以上に達する計画だ。
「メキシコで主にサイレージの原料として使われているデントコーンのハリスコ州における収穫量は、平均約70トン/ヘクタールです。対してスーパーソルガムは、選抜試験においてある系統がその倍を上回る約170トン/ヘクタール(一作)の収穫量を示しました。この収穫量に起因する圧倒的なコストパフォーマンスの高さが公的機関からの高い支持を引き出したのです」
サイレージだけでなく、バイオエタノールの原料としても高く評価され、生産各社との商談も進んでいる。
現在、同事業の最大市場であるメキシコでは、2017年3月期中に770トンの種子を販売する計画だ。すでに今年7月末現在で納入済みを含む受注確定分の合計は、510トンに上るという。
「スーパーソルガム事業がこうして軌道に乗り始めるには約4年の歳月がかかりました。そのため当社は現在、難しい時期を迎えておりますが(※)、今期の営業利益、または営業キャッシュフローのいずれかをプラスにすれば、この局面はクリアすることができます。すでに第1四半期で通期の計画値の約50%は具体化しているため、目標達成への道筋は見えています」と赤尾社長の表情は明るい。
「スーパーソルガム事業で投資家の皆様のご期待とご信頼に応え、さらには人の役に立ち、社会の発展に貢献するような企業でありたい。そのような強い信念と覚悟を持ってこれからも邁進します」
※F1品種は一世代限り。栽培者は種子を毎年購入するビジネスモデル。
※1ヘクタール=100メートル×100メートル (山の手線内は約6300ヘクタール)
※6月24日IR情報の当社株式の業績基準に係る猶予期間入りに関するお知らせをご覧下さい。