2016年7月27日、江戸からの歴史を受け継ぐ東京・紀尾井町にオフィス、レジデンス、商業施設を備えた複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」がグランドオープンする。それに先駆けて、7月1日にオープンした「紀尾井カンファレンス」は会議、セミナー、パーティーなど、大小さまざまなビジネスニーズに応えるカンファレンス施設だ。
東京メトロ・永田町駅に直結、地下鉄5路線が利用可能で、さらに羽田、成田の空港からリムジンが乗り入れするなど交通の便も抜群。観光庁が推進するMICE事業の一翼を担う施設として、また国際都市・東京のビジネス拠点の新たな顔として期待される。
本記事では、「東京ガーデンテラス紀尾井町」街区全体のビル運営を担う、株式会社西武プロパティーズ ビル運営部長 松延太朗氏と、同社と共に「紀尾井カンファレンス」の運営を行う日本コンベンションサービス株式会社 まちづくり事業推進部 部長 大和田雅人氏、オープンに携わったお2人に本施設の特徴や意義について聞いた。
江戸から未来へ受け継ぐ紀尾井町の価値
【松延】紀伊徳川家、尾張徳川家、彦根井伊家。紀尾井町という地名は、これらの上屋敷や中屋敷が存在していたことから名付けられたもの。つまりここは、江戸時代から政治や行政の中心として重要な役割を果たしてきた場所です。
「東京ガーデンテラス紀尾井町」は、そうした土地の歴史を受け継ぎながら、「品と、格と、未来と。」をキーメッセージに掲げ、日本と東京の未来に向けた新しい複合市街地です。
例えば、敷地内の江戸城外郭赤坂御門の積み重ねられた石垣などを見ると、肌で歴史の重みを感じます。また、この土地は非常に強固な地盤で、深く杭を打つ必要がないほど、しっかりしているのです。昔から現在に至るまで、「政(まつりごと)」が行われてきた場所であることが、こうした土地の条件からも理解できます。
いろいろな重要な決めごとがなされてきた場所ですから、「紀尾井カンファレンス」は、その意味で象徴的な施設です。新しい歴史を積み重ねていく拠点として、大いに活用いただきたいですね。
【大和田】運営を担当する弊社は50年間、国際コンベンションやセミナー、イベントを企画・プロデュースし、いわゆるMICEと言われる事業をけん引してまいりました。現在、年間1,000件以上のコンベンションを運営しているほか、展示会やセミナー等のプロデュースも行っています。
ここ「東京ガーデンテラス紀尾井町」は、赤坂プリンスホテル跡地です。当時さまざまなパーティーや会議が行われてきた「赤プリ」のように、「紀尾井カンファレンス」が、会議場+ホテルのようなサービスといった、多様な使い勝手を求められるとすれば、カンファレンスとしてはかなりの挑戦です。
ますます国際的な会議が増えていくであろう東京の都心で、コンベンションサービスのプロとして運営を任せていただきますが、パーティー需要にも応えていくことは、ホテルと違いカンファレンスは細かい部分が全く異なります。ここは「紀尾井カンファレンス」のプロジェクトで難しかった点ですね。