ベスト4監督は「パナソニック元役員」

元ソフトバンクで現・早鞆高校監督(山口)の大越基(44歳)、また元西武で現・金沢学院東高校(石川)の金森栄治(59歳)など、プロ野球を引退した選手が高校野球の監督となるケースが増えている。

プロとアマチュアの垣根が年々、低くなり一昨年から、定められた講習を受ければ、プロのOBもアマチュア資格を回復して高校野球の指導者になる道が緩和されたことも一因ではある。だが、それよりも高校野球への熱とでもいうべきものが彼らを衝き動かしていると言ったほうが適切だろう。

先日、智弁学園の優勝で幕を閉じたセンバツ高校野球。ベスト8に進出した各校の監督の経歴に注目したレポートが主催社新聞にあった。

秀岳館(熊本)の鍛治舎巧監督(64歳)はパナソニックの専務役員まで上りつめた元トップマネジメント。一方で大阪の名門ボーイズリーグの指導者も務めた(そのチーム出身者が今回ベスト4と躍進した秀岳館の主力選手)。

滋賀学園の山口達也監督(44歳)は大手宝石会社の有能な営業マンだったそうだ。

明石商(兵庫)の狭間善徳監督(51歳)は明徳義塾中の監督だった。全国制覇を経験していて、明石市の指導者公募で採用された。

高松商の長尾健司監督(45歳)も中学の教員指導者から高校の教師に転じた人で、最近、低迷していた名門を復活させた。

みな、選手として高校野球を経験したが、前職は違った。高校野球というフィールドから離れた人たちだが、また、その舞台に戻ってきて、結果を残した。