2015年11月3日(火)

書き込みながら「がんを治す」ノート

週単位で体質と気質が変わっていく

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
野本 篤志 のもと・あつし
薬学博士・がん統合医療コーディネーター

1958年茨城県生まれ。がん統合医療コーディネーター。薬学博士。薬剤師。NPO法人緑の風ヘルスサポートジャパン理事長。がん体験者とその家族の会(ラポールの会)代表。一般社団法人日本がん患者サポート協会理事長。東京薬科大学、筑波大学大学院を卒業。藤沢薬品探索研究所主任、同医学調査部課長、アステラス製薬開発本部内分泌領域プロジェクトリーダーを歴任後、母の2度目のがんの体験を機に会社を退職し、「自分の健康は自分で守ろう! 取り戻そう!」を合言葉に、統合医療の普及や生活習慣病予防の啓発活動、がん体験者やその家族へのサポート活動を行っている。また、茨城県土浦市の約5000坪の農地に自然療法(森林療法や園芸療法)を体験できる『くぬぎ野ふぁーむ』を創設し自然や農業を中心とした活動を進めている。著書に『がんが自然に消えていくセルフケア』(現代書林)、『家族のケアでがんは消える』(遊タイム出版)がある。

薬学博士・がん統合医療コーディネーター 野本篤志
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日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。もし自分や大切な人ががんになったら「治してもらう」だけでなく「自分で治す」姿勢と取り組みが不可欠です。そのためのパートナーとなってくるのが『がんを自分で治したい人のセルフケアノート』です。監修者の野本篤志さんが、医学・薬学的知見と、家族や患者さんとセルフケアを実践していくなかで得た情報をわかりやすくまとめ、一人ひとりが自分に合ったセルフケアを見つけ、計画を立て、毎日実行できるように様々な工夫がほどこしました。本稿はその「まえがき」です。

4つのがんを患った母が天寿を全うできた理由

私の母は36年間の長きにわたり、「乳がん」「胆管がん」「胃がん」「肝臓がん」という4つのがんを経験しました。彼女は自分の治る力を信じ、わたしたち家族と協力し3つのがんを克服していきました。4つ目の肝臓がんは、最初の乳がん手術時の輸血で感染したC型肝炎が40年近くたって悪化し、肝硬変から移行したもので、これが原因で母は今から7年前、77才で亡くなりました。しかし、亡くなる10日くらい前まで実の妹と近所のデパートに車椅子で買い物に行ったりして元気に過ごし、苦しんだのは最後の1週間くらいだけでした。36年間の長い闘病生活といっても、そのほとんどの時間を元気に活動し、天寿を全うした生き方だったと思います。

『がんを自分で治す人のセルフケアノート』(野本篤志監修・プレジデント社)

最初の2つのがんは手術で腫瘍を摘出しましたが、それ以外3大療法(手術、抗がん剤、放射線療法)は一切受けずに自分の力でがんを克服していった母の姿を身近に見ながら、私は「がんは他人に治してもらうものではなく、自分で治すものなのだ」と強く確信しました。

それまで「薬で病気は治せる」と信じて大手製薬会社の研究開発部門の第一線で活躍していた私は、この確信を私たちと同じようにがんで苦しんでいる患者さんとその家族に知ってもらいたいと思い、9年前に行動を起こしました。会社を退職してNPO法人を設立し、同じ年に患者とその家族の会(ラポールの会)を立ち上げて、多くの患者さんに寄り添い、その声を聞きながらサポートを続けてきました。そのなかで何人もの人が自分の力でがんを克服していく姿を目の当りにして「人はだれでも生まれながらにして治る力(自然治癒力)を持っていて、その力を最大限に発揮できればがんを克服することはできる」という一番大切なことを知りました。

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