2015年4月1日(水)

息子と娘に勧めたい「10年後のバラ色職種」

PRESIDENT 2014年4月14日号

吉田茂人=取材・文
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高齢化社会、不安な将来を見越して、安全、安心の「手に職」をつけたいのは誰もが思うところ。石橋を叩いて渡るために必須な職種を徹底取材でレポートする!

医師は弁護士の倍の収入がある

世の中には多種多様の職種がある。職業選びは難しく、天職だと実感している人は少ないだろう。天職と思っていても時代の波に翻弄されてしまうこともある。それでも、高度な専門知識や技術のある人材は、企業や社会から求められ、資格取得は効果的なアピールだ。とくに国家資格保持者は独立も含め就職に有利となることはいうまでもないが、将来有望な資格はあるのか。

日本最強の資格といわれてきたのが弁護士と医師免許だ。弁護士は法律にかかわる業務のすべて、医師は医療行為にまつわるすべてのものを独占業務として営むことができる。ただし資格取得までには法科大学院や大学の医学部に入学するなど時間と費用を要する。

それでも医師は決してなくなる仕事ではなく、働ける期間も長い。たとえ開業が失敗したとしても、再就職することが可能で、教育資金を投資するだけの価値はある。医師不足はしばらくは続くとみられ、75歳以上の高齢者が総人口の20%を占める2035年には、東京周辺や愛知県、大阪府など人口集中地域では深刻な医師不足が続くと、東京大学医科学研究所の研究グループが2014年初めにまとめている。

医師の収入は厚生労働省調べによると平均年収が1144万円で弁護士の642万円とでは倍近い収入の差だ。

一方、高度な専門性と独占業務のため食いっぱぐれないといわれてきたサムライ(士)業の雄の弁護士は、司法制度改革により人余り状態で、2003年に1万9508人だった弁護士が10年後の13年には3万3624人(日本弁護士連合会調べ)と、1.7倍とうなぎ上りに増えている。それなのに不況の影響で多くの法律事務所が採用を控えてきた。弁護士のヘッドハンティングを手がける西田法律事務所の西田章弁護士が若手弁護士の現状をこう話す。

「大手弁護士事務所のパートナーどころか、事務所に置いてもらえるが固定給や仕事のない“ノキ弁”にもなれずに、司法修習直後に独立する“即独”といった過酷なスタートを切る新人弁護士も増えました。わずかな固定給で事務所の掃除や使いに走る悲惨なノキ弁もいます。過酷な道でも独立を目指す若手弁護士がいる一方で、企業や官公庁へ就職するインハウスローヤーの道を選ぶ新人が増えています」

司法試験に合格後、司法研修所に進まずに一般企業の法務部署に就職する人もいる。日本弁護士連合会は法曹有資格者の活動領域の拡大に向けて、組織内弁護士の普及促進に積極的に取り組んでいる。グローバル化の中で企業の海外進出支援業務やM&Aを手がける国際弁護士として活躍の場もある。

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