2014年12月9日(火)

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せっかく技術力は世界最高水準なのに、なぜそれを生かしきれないのか。21世紀に入り、急速にニッポン企業のアイデア力が低下しているように見えるのは、経営者のせいか、日本人の限界なのか。

誰がエンジニアの発想を殺したのか

伊藤慎介 元経済産業省官僚

iPhone、iPad、facebook、twitter、starbucks……。身の回りは外資系企業開発のモノやサービスばかりだ。

ニッポン製も健闘しているが、とりわけ21世紀に入ってから、新しいモノを生み出すパワーがダウンしたように感じられる。20世紀に日本人が発案・発明したモノを確認すると、そのことを痛切に思い知らされるのである。

例えば、1956年に開発されたカッターナイフ。それまで紙を切る道具はナイフやカミソリだったが、ある印刷工場がガラスの破片と板チョコから着想して、刃先を折ることで最後まで切れ味を持続させる方式を考案した。

また通信業界にイノベーションを引き起こした光ファイバーも日本人によって開発された技術。ほかに、カラオケ、シャープペンシル、青色ダイオードなどは日本人がその概念と仕組みを一からつくり、ビジネスモデルを確立させたのだ。では、現在はどうか。

「世界に誇った日本のモノづくりの威光は、残念ながら風前の灯と言わざるをえません。競争力だけでなく、開発力も低下傾向にあります」

そう語るのは99年に経済産業省に入省後、十数年にわたり自動車産業、エレクトロニクス産業など多くの産業界に関わった伊藤慎介氏である。13年夏より、産業革新機構へ出向中の伊藤氏(14年7月に経済産業省を退官し、超小型モビリティの新会社を共同で設立)は、「個人的な意見」と前置きし前述のように語った。

例えば、パソコン、携帯電話、液晶テレビ、DVDプレーヤーなどで、日本企業のシェアは年々下落している。

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