家庭学習がきちんとできる子とできない子、違いはどこか? 教育心理学の専門家に聞いたら、その差は意外に単純なことでした!

勉強を始める前の15秒で集中力を高める

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作ってみよう! 眺めるだけで集中した状態に。

お手洗いなどを済ませたら、いよいよ勉強を始めましょう。はじめに、子供の集中力は25分程度しかもたないと言いました。しかし、集中すること自体ができない、という子もいるでしょう。そこで簡単に集中力をアップする方法を教えます。

まず図1のように、左に大きな丸、右に小さな点を描いた紙を用意してください。次に、できるだけまばたきせずに左の大きな丸を15秒間、じっと見つめます。見終わったら、すぐに右の点を見てください。点の周りに白い輪(残像)が見えたら集中力が高まった証拠です。何も見えないときは、数回まばたきをすると白い輪が見えるようになります。まばたきしても見えないときは、もう一度左の丸を見つめるところからやり直してください。2、3度繰り返せば見えると思いますが、「それでもダメ」という人は、左の丸に緑や紫などの色をつけてみましょう。色がついたほうが、集中して見やすくなります。色によって輪の色も変わりますが、残像が見えればOKです。

これは、自律訓練法という手法で、輪の残像がきれいに見えているときは、集中力が高まっていることを示す脳波が出ていることが実験によって証明されています。勉強する前に、毎回行うようにすれば、勉強の効率が非常に高まります。

自律訓練法は、試験のときにも役立ちます。人によっては、試験にのぞむ緊張からあがってしまい、普段の実力を発揮できないことがあります。周りの人たちが、なぜか賢く見えてしまい、不安ばかりが強くなって試験に集中できないこともあるでしょう。

そんなとき、自律訓練法を行えば、気持ちを落ち着けることができ、試験に集中できるようになります。実際、この方法を試した生徒たちからは、「なんだか落ち着く」「周りの人を意識しなくなった」といった感想が聞けました、また、自宅で勉強する前に、毎回自律訓練法を行っていた子のほうが、効果が出やすかったようです。

ここまで、勉強を始める前の準備について説明してきましたが、勉強が一段落して、ちょっと休憩をはさむときにもやってもらいたいことがあります。

それは、席を離れる前に、次に何の勉強をするのか決める(学習計画で決めていることを再確認する)ことと、その勉強の目的を考えることです。何も考えずに机を離れてしまうと、戻るのが面倒になり、休憩時間が長くなりがちで、勉強を再開するときも集中力が高まりにくくなってしまうからです。

次にすべき内容とその目的が頭の中で描けていれば、自然と「早く戻って勉強しよう」という気持ちになってきます。これは、学習計画を立てたときの心理と同じことです。

休憩だけでなく、食事やお風呂などで勉強を中断するときも、次の計画を立ててから机を離れるようにしましょう。

金子 保
埼玉大学教育心理学研究室で助手を7年間務めた後、教育心理学の実践研究のため小学校教諭に。現在はさいたま市教育相談センター所長として、子供の問題行動やひきこもりなどの相談にあたる。著書は『成績アップの秘密は、帰宅後5分にあった!』『6歳までにしておきたい親子体験』ほか多数。