「正直いって、この本のタイトルにはまったく納得できていないんですよね」

この本の著者である柴田英寿さんは、悪びれるふうもなく、そう打ち明ける。

<strong>柴田英寿</strong>●しばた・ひでとし 1967年、東京都生まれ。92年早稲田大学政治経済学部卒業後、日立製作所入社。98年ワシントン大学にてMBAを取得。朝食会「赤坂ブレックファーストクラブ」や大学院生対象のアントレプレナーシップ講座などをボランティアで開催する。著書に『「お先に失礼!」する技術』など多数。
柴田英寿●しばた・ひでとし 1967年、東京都生まれ。92年早稲田大学政治経済学部卒業後、日立製作所入社。98年ワシントン大学にてMBAを取得。朝食会「赤坂ブレックファーストクラブ」や大学院生対象のアントレプレナーシップ講座などをボランティアで開催する。著書に『「お先に失礼!」する技術』など多数。

「この本で伝えたいことは、社会を覆う閉塞感に対する、私なりの処方箋なんです」

柴田さんは日立製作所に勤務するサラリーマン。MBAを持ついわゆるエリートではあるものの、それ以上に、ただの会社員というにはずいぶんと変わっている。

毎週、朝7時半からの勉強会を10年以上主催していたり、東京大学の教壇に立って大学院生を相手に講義を持っていたこともある。MBA取得者を1000人集めた会の設立にも携わった。著書だって、これまで10冊以上書いている。

本書はそんな「社外活動の達人」が書いた、副収入獲得マニュアルということになっている。だが、本書に込められたメッセージは、収入の獲得方法そのものにはない。

「いまの日本はこつこつやっていれば報われるという国ではなくなってしまいました」

かつてと違い、黙っていたら所得はどんどん減ってしまう。となると、会社勤めだけでは幸せになれない。また、おいそれと起業できるような環境でもない。

「ですが、何かやりたいと思っている人はたくさんいます。そういう思いがあるサラリーマン全体の底上げをしたいというのが一番の気持ちです。サラリーマンとしての仕事は持ちつつも、夢は諦めずに追い続けてほしいのです」

本書のなかで印象深いのは、柴田さんが過去の自分と向き合う一節だ。

「20代の自分は周りが見えずに突っ走り、周りに迷惑をかけたし、自分もずいぶん痛い目をみました。会社ではもう浮き上がれそうもない。でも俺だって何かやりたい。そこで気づいたのは、誰かに認められることではなくて、自分は誰に愛されたいのかを考えることが大事ということです。ちょっと勝手ですが、愛されたい人のために生きていきたい」

そこで気づいたのは、誰かに認められることではなくて、自分は誰に愛されたいのかを考えることが大事ということです。ちょっと勝手ですが、愛されたい人のために生きていきたい」

やりたいことはあるが、すぐには実現しそうもない。それでも大事なことが見えているいま、毎日、それなりに楽しいと柴田さんはいう。

上司、取引先、同僚、友人、そして家族――あなたであれば誰に愛されたいだろうか。この本が、大事なことに気づかせてくれるかもしれない。