「学ぶより真似べ」と巷間言われるが、古の偉人に“真似ぶ”とき、その人格性向とダイレクトに繋がれる素材があるとしたら――。
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図1 ※出典:日本筆跡診断士協会『筆跡特徴マニュアル72項目の解説』から抜粋

筆跡は、人間の「書く」という行動によって残された痕跡です。人にはそれぞれに固有の行動傾向、いわゆる性格や人間性がありますが、「書く」という行動も同様です。他人の筆跡を真似た一字を100回続けて書こうとしても、不安と息苦しさで30回程度が限界。「書く」行為はそれほど独自性の高いものです。

40代の頃そこに気付いた私が、大学で学んだ心理学を素地に研究を重ね、筆跡に表れる特徴を体系的にまとめたのが筆跡診断です。複数の筆跡を比較し、筆者が同一か否か識別する「筆跡鑑定」とは異なり、書き手の人柄を筆跡から読み取ります。