2014年9月29日(月)

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朝早く起きたほうがいいことはわかっているのだが、具体的なメリットとは何か──。
朝活のプロの実践方法からそれらを引き出すとともに、脳科学で早起きによる潜在能力を引き出すメカニズムを解明する。

二度寝を誘う選好の逆転

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早起きしようとして二度寝をしてしまう「選好の逆転」

ところで、「早起きがいいことは、頭ではわかっているんだけれども、なかなか実践できない」という人も多いのではないだろうか。前の晩に「明日は30分早起きして、たまった仕事を片付けよう」と思い立ち、目覚まし時計をセットする。ところが、いざ目覚まし時計の音で起きても、「まだ疲れが取れてないから、仕事に障る」などと自分に言い訳して、結局それから30分寝てしまった──。こんな経験が一度や二度、誰にでもあるだろう。

東京大学特任准教授の古川雅一さんは、「つい二度寝してしまうのは、行動経済学の理論から説明できます。さらにいえば、その理論を応用することで、二度寝を防ぐこともできるのです」という。行動経済学は人間の経済活動を、感情や価値観といった非合理的な行動原理に基づいて分析する経済学だ。

そして古川さんによれば、二度寝してしまうのは、行動経済学でいうところの「選好の逆転」が起こることが原因なのだそうだ。簡単にいうと、人間は将来得られる大きな利益よりもh、目先の小さな利益のほうに価値を感じて飛びついてしまうのだ。

「私がよく使う比喩ですが、富士山は、東京から眺めると小さく見えます。一方、目の前の高層ビルは、富士山よりも実際にははるかに小さいのに、とても大きく見える。それと似ています」

「早起きによって、ビジネスに成功し、高い地位や収入を得る可能性が高まる」と理解していても、いまの時点ではそれほどの価値を実感できない。出世できるかどうかも不確実だ。それよりも、二度寝をすれば、「眠りたい」という欲求を確実に満たせる。

「つまり、早起きによる将来価値を、二度寝による現在価値が上回ってしまうのです。それに、目が覚めたばかりだと、理性もよく働いていないので、生理的欲求が勝るのは仕方がない。二度寝をするのは当然でしょう」

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