小学校1年生の男の子を持つ埼玉県の岩田真美さん(仮名・33歳)は、最近ちょっとイライラ気味。その原因が3歳年上の夫の言動にあることも、しっかりわかっている。

夫の言動。例えば、靴下は部屋の片隅に脱ぎっぱなし。子供がまねするでしょ、洗濯籠に入れてよと何度注意したことだろうか。その場では「ウン、わかった」と気のない返事で2、3日するとすぐ忘れて繰り返す。

休みの日には居間でゴロゴロ。その格好がダラシナイ。掃除の邪魔だし、こっちの気分までだらけるからシャキッとしてよと言っても動かない。夜は夜で、子供の学校での様子を話しても生返事。ビール片手にテレビで野球観戦。阪神タイガースが勝てばバカ騒ぎし、負けると不機嫌になる。大の大人が勝った負けたで何で一喜一憂するのだろう。その姿に幼稚性がにじみ出ていることに気づかない。

靴下もゴロゴロも、何度言ってもだめということは私の言ったことをすぐ忘れている、いや本気で聞いてくれないのだ。私のことを軽く見てるでしょ。だから怒りたくもなるし、子供っぽい姿を見せられれば情けなくて腹立たしくもなる――。ざっとこんな調子なのだ。

そこで、「奥さんのお気持ちはよくわかります、でもね」とアドバイスをするのが、小学校低学年を中心とした学習塾「花まる学習会」を主宰する高濱正伸代表。講演会に「追っかけママ」が出現するほどの人気者が、夫婦の姿をこう分析する。

「夫は夫で、俺は家族のためにこんなに頑張っているし協力もしているのを妻はわかっているのか、そんな些細なことをとやかく言うなとの思いがあるのです。また妻の話は要点が不明瞭で何を言いたいのかわからない、だから逆にこっちがイラついているのだとも思っています。野球だって、男は勝ち負けがただ好きなのです。そういう夫、いや男の本質を、妻、つまり女性は理解できないし、またその逆もしかり。このちぐはぐさがすれ違いの原因なのです」

ではどうすればこの夫婦間の溝を埋められるのか。高濱氏、簡明で大胆な言葉を発した。

「埋められません。それは、男女が決定的に異なる生き物だからです。夫は話を聞いてくれないと悩む奥さんは『同じ人間なのだから聞いてくれるハズだ』と期待し過ぎなのです。同じ人間だと思うからいけない。だったらどうするか? 『夫は犬だと思えばいい』のです」

この驚愕(きょうがく)のフレーズは、実は高濱氏が書いた本のタイトルでもある。つまり、考え方の転換なのである。

「決してバカにしたいわけではありません。『犬くらい違う生き物』だとイメージするだけで、双方が楽になれるのです。現実に、この本を読んだ仕事では優秀な男性からこそ『私こそ妻をわかっていなかった』という声をいただいています」

お互い、子供・家族のためにホントに頑張っている。しかしすれ違いのままでは不満が増すばかり。ちょっとした意識改革をしてみてはいかがだろう。