2014年3月30日(日)

100万円やるから、世界を旅してこいや!

腕一本で生きるカリスマ職人の教育費のかけ方

プレジデントFamily 2014年5月号

著者
岡野 雅行 

岡野工業代表社員。1933年、東京都生まれ。痛くない注射針やリチウムイオン電池ケースなどを開発した金属深絞り加工の世界的職人。NASAをはじめ国際的な企業とのコラボも多い。『学校の勉強だけではメシは食えない!』など著書多数。

岡野工業代表社員 岡野雅行 大塚常好=構成 遠藤素子=撮影
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岡野雅行
岡野工業代表社員。1933年、東京都生まれ。痛くない注射針やリチウムイオン電池ケースなどを開発した金属深絞り加工の世界的職人。NASAをはじめ国際的な企業とのコラボも多い。

今年で81歳になるけどさ、俺はこういう雑誌を購読しているんだよ。「LEON」「Pen」、カード会員誌の「SIGNATURE」……。意外だろ?

こんなオシャレ雑誌を俺みたいなジイさんが読むなんて。ファッション、インテリア、旅行、いろんな分野のトレンドがどうなっているのか気になるんだよ。

自分の仕事に直接役立つわけじゃない。でもね、刺激を受けるんだよなあ。雑誌をパラパラめくって、そこに載っている情報にピンとくることがある。「あ、これは本物だ」ってね。考え抜いて、作られた優れたモノやサービスだってわかる。すると、俺も負けてらんねぇ、いいモノ作らねえといけねえって、不思議とやる気がむくむくと湧き上がってくるんだな。

子供のためになるお金のかけ方――。今回のテーマを聞いて声を大にして伝えたいのは、とにかく子供にこそ、「本物」を見せたり、体験させたりしてほしいってことだ。テレビやインターネットでわかった気になってちゃダメだ。子供には五感で本物を味わわせて、感性を磨いてやるべきだよ。磨けば磨くほど、勘が鋭くなって利口になる。

利口ってのは勉強の成績の良しあしとは関係ないよ。生きていくうえでの知恵のようなものだ。俺は、大企業のお偉いさんやNASAの頭のいい人たちとも一緒に仕事をしてきたけどさ、本当に仕事ができる奴っていうのは感性が違うんだよな。俺が今も「LEON」とか読むのは、感性を鈍らせたくないっていう理由もあるんだ。

ところで、本物って一体なにか。ここが問題だが、そう堅苦しく考えることはねえよ。

例えば、チェーンの回転寿司店ではなく、ちゃんとした寿司屋で食べさせるということも、本物体験の1つだよな。

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