オリンピック招致の成功は努力の結果

――首相自ら足を運んだ国際オリンピック委員会(IOC)のブエノスアイレス大会で20年夏季オリンピックの東京開催が決まりました。安倍首相は東京招致にはどれぐらいの熱意と意気込みだったのですか。
(時事通信フォト=写真)

【菅】ものすごかった。オリンピック招致は戦略的に、という方針で大臣、副大臣、政務官が海外訪問の際は必ず協力を依頼するよう指示しました。ブエノスアイレス行きも、2カ月くらい前に「ロシアのプーチン大統領との信頼感を優先すべきでG20は最後まで出席すべき」と言う外務省と「途中からでもIOC大会に出席すべき」と唱える文部科学省との対応方針が分かれたとき、総理はその場で「ブエノスアイレスにも行く」と決めました。私たちは東京開催決定に自信がありましたよ。

――前回の1964年のときは、開催時の池田勇人首相が所得倍増政策のために東京オリンピックを活用しました。今度は安倍首相はアベノミクスの「第4の矢」と言っています。

【菅】そういう効果は十分あるでしょうね。「総理はついている」という人がいますが、成果は総理の努力の結果でもあります。あれだけ頻繁に海外に行って、招致に向けて行動していました。

――菅さん自身、政治家として、何が役割、使命と考えていますか。

【菅】私は地方分権を実現したくて横浜市議から国政に転向しました。地方分権を進める中で、地方が地域の特色や魅力を活かし自らの責任で街づくりを進め、最終的には道州制という新しい国の形をつくっていきたい。いまは安倍政権の政策実現の推進役の1人として、総理を支え、政策を前に進める役割を果たしたいと思っています。

内閣官房長官 菅 義偉
1948年、秋田県生まれ。高校卒業後上京し就職。法政大学卒。代議士秘書、横浜市議を経て、96年衆議院選挙で初当選。以後6期連続小選挙区当選。元総務大臣。大臣当時にふるさと納税を創設。現在、内閣官房長官。著書に『政治家の覚悟』。
(塩田 潮=インタビュー・構成 澁谷高晴=撮影 時事通信フォト=写真)
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