内閣官房長官の在職期間、歴代1位。安倍晋三政権を支え続ける菅義偉氏。「鉄壁」ともいえる“防御力”の裏には、彼をつくり上げた名著がある。次期総理ともささやかれる菅氏に、トップに立つ人の必読書を聞いた。記者会見前に思い出す言葉とは――。

『三国志』で学んだ、政治と人間関係

官房長官 菅義偉氏

本は大好きなのですが、内閣官房長官の仕事は忙しく、なかなかじっくり読書する時間が取れません。毎朝すべての全国紙を読むだけでも40~50分かかっていますから。各紙の内容とNHKの朝6時のニュースを見ていくと、世の中の動きがわかってくるんです。みんなどういうものに関心を持っていて、どんなニュースが流れているか、そのチェックだけは欠かせません。

ちなみに、新聞は社説も読みますし、理解を深めるために声に出して読むこともあります。

高校生のころから愛読しているのは読売新聞の「人生案内」という人生相談コーナー。「世の中にはいろいろな人生があるものだな」などと思いながら読んでいます。まず相談内容だけを読み、自分で答えを考えてから回答部分を読みますが、今ではだいたい一致するようになりました。頭の体操みたいなものですね。