優秀な人材を育成し、日本社会に貢献したい

7人制ラグビーでオリンピアンを育てることが、これからの生き甲斐であり、ラグビー界への恩返しと語る。吉田氏のシナリオでは来春にはチームが始動するという。

この春から、吉田氏は日本ラグビー協会と連携して7人制ラグビーの普及を始めている。最初に取り組んだのは、7人制ラグビーの環境整備だった。

「最初は7人制チームを運営してくれる企業を探しました。経営者の方々に思いを伝えると、とても反応がいいのですが、何といってもこのご時世です。チーム運営を快諾してくれる企業はまずありません」

だが、それも想定内。次なる一手が経営者に響く。キーワードは「人材育成」だ。

「経営者のみなさんには、ラグビーは人を育てるための有効なスポーツだという価値観や認識を持っていただいています。ましてや五輪に出場する選手は、自律性があり人から尊敬される人間でなければなりません。僕は7人制ラグビーを通して、単に一流のスポーツ選手であるだけではなく、文武両道の優れた人間性の持ち主に育てたいと思っています。そういう人間は必ず人の範となり、リーダーシップを発揮し、いずれ引退しても企業にとって有用な人材になる。チーム運営は難しくても、そういう人材を、例えば1社に5人雇用していただき、それが3社集まれば15人は確保できます。練習試合ができるのです。企業からすれば、将来有望な社員を雇用できるうえに、自社からオリンピアン(五輪選手)を輩出できる可能性があります。双方にとってメリットがあるのです」

やると言ったら必ずやる。この10月にはチームを運営するための組織を立ち上げた。そして、吉田氏の頭の中には、すでに明確なチーム構想がある。

「7人のうち、まずは100mを10秒代で走れる足の速い選手が2人。これは短距離走の選手が適任です。そして空中戦を征することができる背の高い選手が同じく2人。こちらは例えばバスケットやバレーボールなどの競技を経験してきた選手が適任ですね。ラグビーのスキルは吉田義人が責任を持って教えるから、とにかくスピードのある選手と高さのある選手が不可欠。残りの3人はラグビー経験者で、素早いステップでタックルをかわす、特にアジリティー(敏捷さ)の高い選手。こうした選手がそろえば魅力的なチームが出来ます。7人制ラグビーというニュースポーツを表現できるチームになるのです」

予定されたインタビュー時間を超えても、吉田氏の熱弁はなお止まらない。かつて現役選手だったころには「自分のことが第一」だった男は、その後監督として選手のこと、チームのことを思い、そして今、ラグビー界への恩返しのために始動した。なにかを成し遂げる男たちには、挑戦心と情熱と、そしてつねに周囲への「ありがとう」を忘れない感謝の気持ちがある。

PRESIDENT SELECTION

今回話を伺った吉田氏も結婚指輪として贈ったというプラチナ・ジュエリー。変色しにくく透明感のある輝きは、一心不乱に思いを貫く吉田氏の生き方とも重なり合う。上はホースシュー(馬蹄)をモチーフとした存在感のあるジュエリー。氏曰く「結婚10年、20年の節目に贈るのもいいですね」。


ともにプラチナ×ダイヤモンド、税込価格
リング 0.62ct 43万500円
ネックレス 0.62ct 40万9500円
問合せ先/ナガホリ 03-3839-7054 http://www.nagahori.co.jp/

(取材・文/デュウ 撮影/山下亮一)