2013年9月9日(月)

心理診断「半沢直樹」でスカッとする人はなぜ二流か?

PRESIDENT 2013年9月30日号

著者
大宮 冬洋 おおみや・とうよう
フリーライター

大宮 冬洋1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/

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大宮冬洋=文
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同じドラマでも一流のエリートと庶民とでは、その観方が全く異なることが判明! あなたはどちらだろうか。

銀行関係者はみんな見ている

エリート銀行員の痛快な復讐劇を描いて大ヒットしているドラマ「半沢直樹」。「やられたらやりかえす。倍返し、いや10倍返しだ!」という決め台詞にしびれ、悪徳上司たちに逆襲するシーンで大いに溜飲を下げている視聴者が多いだろう。筆者もその1人だ。人事部次長の小木曽を徹底的にやりこめる場面ではガッツポーズで喝采した。

日本興業銀行に22年間勤務し、半沢と同じく融資課長を務めた経験のある岩崎日出俊氏は、銀行関係者のほとんどが「半沢直樹」を熱心に見ていると語る。

「実際には、海外資産をあんなに早くは押さえられないし、国税庁には基本的に勝てません。でも、銀行員から見ても80%以上のリアリティがあるドラマです。原作者の池井戸潤さんが三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)出身だからでしょう。事実は小説より奇なり、ですね」

ただし、岩崎氏の周りにいるエリート銀行員たちは「グッとくる」個所が筆者とは違うという。

「前半のドラマで大阪西支店融資課が発揮するチームワークは、現実の銀行業務に近いものがあります。半沢課長は部下を飲みに連れていって懐柔するのではなく、銀行員としての志と矜持を忘れずに働く背中を見せることで課を率いている。本来あるべき銀行員の姿を見せてもらい、『我々がやっている仕事はけっこう面白いのだ』と再認識した人が多いようです」

30代前半の頃から新卒採用の面接官もやっていた岩崎氏は、組織の仲間として迎え入れる基準は「志の有無」に尽きると断言する。

「銀行の採用面接には実に様々な人が来ます。志がなく、高給や安定、規則正しい生活を求めてくるような人はまず落ちますよ。銀行員の志とは、本当に必要としている人に正しくお金を貸して仕事や生活を助け、ひいては日本経済の活性化に役立つことです」

しかし、激烈な出世競争にさらされる過程で入行当時の志を忘れていく人も少なくない。「半沢直樹」では、不正の金を懐に入れて責任は半沢に押しつけようと画策する浅野支店長、その腰巾着として半沢をいじめる江島副支店長が登場する。

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