仕事でもプライベートでも、運に見放されたかのように何事もうまくいかず、沈み込んでしまうことがある。そんなとき、気の力を利用して、不運、悪運を切り換えるにはどうしたらよいのだろうか。風水師の李家幽竹氏に聞いた。

風水とは気の力を利用した環境学

かつて風水は兵法だった――。

風水は、単に家相や地相、墓相を見る手段ではない。中国古来の思想が陰陽五行説に基づき統合された風水は、戦の時代には兵法・兵学として利用されてきた。三国時代の天才軍師である、あの諸葛孔明も用いたとされている。

戦術を決め、戦略を構築し、敵の次なる一手を読み、はては王都や首都建設のあり方を判断する。激しい戦に勝ち、存亡をかけた軍法として活用されてきた風水は、やがて戦の時代が終わると、人々の生活の中に入り込んできた。

風水師の李家幽竹氏は言う。

「風水とは気の力を利用した環境学です。兵法として利用されてきた長い歴史の中でさまざまなことを吸収した風水は、衣・食・住・動(行動)すべてを使って運をより鍛えていく、開運のための環境学にほかなりません。持ち前の運は変えようがありませんが、環境ならば変えられます。人は環境に生かされていますから、環境が運を決めるのです。運を上げたければ、風水の法則にしたがって環境を変えましょう。風水はもっとも身近で簡単な開運術ですよ」

人間が生活環境の中から運を吸収するのだとすれば、ビジネスマンにとってまず見直さなければならないのが仕事回りの環境だ。毎日8~12時間、人によってはもっと長い時間を費やしている仕事を取り巻く環境を見直すことなく運向上はありえない。

風水ではすべてのものが「木火土金水(もくかどごんすい)」の五行のうち、いずれかの運気を持っているとされ、オフィスは気の流れを活発にし縁をつなぐ働きのある「木」の気の強い場所にあたる。

つまり、職場環境の風水を大切にすることで、仕事はもちろんのこと、プライベートにおいても運気を上げることができるのである。

では具体的に何をすべきか。デスク回りやファッション、持ち物など詳細は各項目を見ていただくとして、まず心にとどめておきたいのが、風水は「捨てる学問」でもあるということ。モノが捨てられない、不要なモノがデスクの上に山積みになっている、必要なモノがすぐには見つからないという状態は悪運を捨てられないこととイコールだ。悪運を溜め込んだ環境は良縁とは無縁である。