立命館大学の学生たちは、留学にも積極的。入学者の6人に1人が在学中の一定期間、海外でも学ぶという高い割合だ。経験者の2人に、国内だけでは得難い収穫などを聞いた。

世界とのつながりの自覚が
地球市民へのスタートライン

吉村茜衣●よしむら・あかね
立命館大学 国際関係学部 3回生

現在、国際関係学部3回生の吉村茜衣さんは、2012年8月から13年4月までカナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)へ立命館・UBC「国際リーダー養成」プログラムの第一期生として留学。「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」の第一期奨学生にも選ばれ、「国際社会におけるリーダーシップ」「Global Citizenship」などについて学んだ。

私は9歳まで米国で育ちました。英語は自然と身についていただけなのに、帰国後はそれがちょっと自慢で、謙虚さに欠けた時期もあったと思います。でも国際関係学部に入学したら、帰国生はいくらでもいる。さらに、UBCでは英語を話すのが当たり前の環境に置かれ、自分に足りないものがはっきり見えてきました。例えば、スウェーデン、韓国、ベトナムからのルームメイトたちは時事ニュースにも詳しく、食事中でも政治問題などの議論を始めます。「日本ではどう? アカネはどう思う?」。そう聞かれて返事に窮したこともしばしばです。「ちゃんと会話に参加したい。認められたい」と新聞をよく読み、知らないことは謙虚に尋ねるようになりました。学外で参加したトーストマスターズクラブやボランティアサークルの方々からも、多くを学びました。

UBCの講義を通じては、私なりに「日本人である自分のアイデンティティを再認識し、世界と自分とのつながりを自覚することが、地球市民へのスタートライン」と理解できました。

日本での暮らしには、海外から届くモノがあふれています。「どこの国で、どんな人々が携わっているんだろう? その人々の賃金は? 生活環境は?」と視点を広げながら、グローバルな発想に立ち、自分には何ができるか考える。そこからの一歩ずつが地球市民として貢献するということではないかと、いま私は思っています。

※パブリックスピーチのスキルを磨くクラブ