ミスをした部下にどう接すればいいのか。ビジネス心理研究家の神岡真司さんは「パワハラになることを恐れてミスを見過ごしてはいけないが、感情的になって怒りをぶつければ部下から恨まれるだけだ。叱る時の3つのルールを意識してほしい」という――。

※本稿は、神岡真司『人生を1時間でチート化する 対人スキル20』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

謝罪するビジネスパーソン
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上司は部下のミスを見過ごしてはいけない

近頃では部下を叱責すべき時に、「下手すりゃパワハラ呼ばわりされかねないから注意できないよ」――などと嘆く上司がいますが、考え違いも甚だしいのです。

これは管理者である上司の責任逃れの言い訳であり愚痴にすぎないでしょう。

相手のよいところを評価して「ほめること」が、「お世辞」や「オベンチャラ」「ゴマスリ」などと違うように、「叱ること」は、「怒りをぶつけること」でもなければ「罵倒すること」とも異なります。いわんや、ストレス解消のはけ口でもありません。

職場の上司は、職場の規範を守り、生産性を向上させる責務を負っています。

部下のミスやしくじり、怠慢といった行為を黙って見過ごすわけにはいかないのです。

「叱ること」は「ほめること」より難しい

ゆえに上司は、部下の失敗の原因を辿り、次にミスがないよう指導・督励する必要があるのです。その結果として、部下がやる気をもってチャレンジしてくれるようにすることが求められるのです。つまり、叱ることで部下を成長させるのです。

ところで、「叱ること」は、「ほめること」よりも難しいものです。

叱っているつもりが、怒っている状況になりやすいからです。感情的になると、「叱る」ではなく「怒る」です。これでは相手の共感を得られず、反感を募らせかねません。

まずは、叱る時の「3つのルール」を心得ておきましょう。