安倍晋三元首相と旧統一教会の蜜月――。日本中に衝撃を与えた殺害事件から1カ月を経た今も、このような言説がメディアをにぎわせている。
報道によれば、教団とのただならない関係は、祖父・岸信介元首相から始まり、父・安倍晋太郎氏を経て、孫・安倍元首相に引き継がれたという。事実なら、戦後政治を牽引してきた名門一族の背後には常に、旧統一教会が暗躍していたということになる。
この「安倍3代と旧統一教会ズブズブ疑惑」の鍵を握るのが、国際勝共連合、世界平和連合、UPF(UNIVERSAL PEACE FEDERATION=天宙平和連合)だ。これらの団体はすべて創設者が、旧統一教会の教祖・文鮮明氏ということから、「フロント組織」として政治家と教団をつなぐ役割を果たしてきた、と多くの有識者やメディアが指摘している。
そこで、3団体の会長を務める梶栗正義氏に今回の騒動後、初となるロングインタビューに応じてもらった。前編<「フロント団体と誤解されるのはしょうがないが…」旧統一教会と同一視される国際勝共連合会長の言い分>では、主に自民党や教団との関係についての「言い分」を紹介したが、本稿では、いまださまざまな情報が飛び交っている「安倍3代との本当の関係」について迫った――。(後編)
「安倍元首相の政治姿勢を支持していたのは事実」
——さまざまなメディアや有識者が、安倍晋三元首相と旧統一教会が「ズブズブの関係」だったと指摘しています。そして、その蜜月関係を構築していたのが、国際勝共連合やUPFだった言われています。実際、安倍元首相への選挙支援を通じて、教団との友好関係を構築していた部分もあったのではないですか?
【梶栗】まず、前回もご説明しましたが、国際勝共連合やUPFは現実社会の問題を解決するために創設された独立した団体であって、教団の布教活動とはまったく関係ありません。
国際勝共連合として、安倍元首相の政治姿勢や考え方を支持させていただいていたのは事実ですが、それはマスコミで言われているような「ズブズブの関係」などではありません。