秋篠宮家の長男、悠仁さまは今年4月に筑波大学生命環境学群生物学類に進学した。コラムニストの矢部万紀子さんは「今年から悠仁さまの情報が明らかに増えている。秋篠宮家が抱えてきた“天皇家への遠慮”が薄れ始めたのかもしれない。今は誤解やバッシングではなく、静かに見守ることが必要なのではないか」という――。
筑波大の入学式に臨まれる秋篠宮家の長男悠仁さま=2025年4月5日、茨城県つくば市(代表撮影)
写真=共同通信社
筑波大の入学式に臨まれる秋篠宮家の長男悠仁さま=2025年4月5日、茨城県つくば市(代表撮影)

悠仁さまの情報が明らかに増えた

筑波大学のホームページを見たら、筑波キャンパスの春学期授業は8月7日で終了するのだそうだ。生命環境学群生物学類1年の悠仁さまも、夏休みに入る。宮内庁にはこのタイミングで、悠仁さまの初めてのキャンパスライフ写真を公開してはどうだろうか。

悠仁さまのことは、そっとしておいて差し上げたい。僭越ながら、そう思っている。だからこそ、キャンパスライフ写真を希望する。矛盾するように見えるかもしれないが、そうではない。という話を書いていく。

まず前提にあるのが、悠仁さま情報の出方の変化だ。今年になって、明らかに増えた。最たるものが、筑波大学附属高校を卒業した3月18日に宮内庁が公開した「バドミントンをする悠仁さま」の写真3枚だ。部活の練習風景だそうで、悠仁さまは左手でラケットを握っている。(NHK「悠仁さま 高校を卒業」2025年3月18日)

宮内庁記者からは、「左利きだが、字を書くのは右手」という情報も明かされた。情報の出所は宮内庁。つまり宮内庁は「素顔の悠仁さま」を意識的に出そうと決めたのでは? だとすれば、その勢いで「大学生の悠仁さま」を公表してほしい。だって、これまで悠仁さまの情報が少なすぎたから。と思っている。

時折見せた笑顔に驚き

あくまで印象ベースだが、悠仁さまは成長するにつれ、写真や映像で見る機会が少なくなった。ことに筑波大学附属高校に入ってから、ほとんど目にすることがなくなった。コロナ禍と重なったこともあるだろうが、秋篠宮家へのバッシングがSNS上でも過剰になり、悠仁さまの筑波大附属高校への入学も「特別扱い」だと非難された。だから目立たないようにしているのかも。そう思ったりしていた。

高校時代、ニュースになる悠仁さまといえば「全国高校総合文化祭」に秋篠宮ご夫妻とともに出席される様子くらいだった。しかもその時の悠仁さまといったら、いつも困ったような表情だったのだ。進学は、筑波大とお茶の水女子大が結ぶ「提携校進学制度」によるものだったが、これが「悠仁さまのためにつくられた」などと言う人たちもいたから、困った顔にもなるよな、と気の毒に思っていた。

流れが変わったのは、筑波大学への入学が決定した2024年12月だった。翌年の2月には舞鶴引揚記念館を単独で訪問、その様子をメディアが追いかけた。ネットニュースがじっくり映像を流していたので、こちらもじっくり見た。同年代である大学生、高校生の「語り部」の説明に、悠仁さまは時折笑顔を見せていた。そうか、悠仁さまは笑うんだ。軽く驚いた。

入学式の“最後のやりとり”が印象に残った

3月には成年皇族として、初の記者会見に臨んだ。質問の答えをすべて暗記して、皇室の一員としての思いを語った。事前に宮内記者会が提出した質問でない「関連質問」では、「好きな女優、アイドル、音楽」を尋ねられ、「具体的にどれという、どの曲だったり、どの方というわけはないですけれども、広く音楽を聴いたりすることもございます」と答えていた。

そして3月18日の高校の卒業式でも、4月6日の筑波大学の入学式(NHK「悠仁さま 筑波大学に入学」)でも、悠仁さまはカメラの前に立った。姉の佳子さまもいとこの愛子さまもそうしたのだが、記者とのやりとりが最も長かったのは悠仁さまだった。入学式では「様々な学問の分野を学べることに感謝をしております」といった無難なというか、きちんとしたというか、そういった言葉のあと、最後のやりとりが印象に残った。

記者が「広いキャンパス、自転車の準備は?」と尋ねると、「授業の合間とか、自転車に乗って移動しようと思っています」と答えていた。これはつまり、記者には“日常の悠仁さま”を聞き出したいという思いがあり、悠仁さまがきちんと答えたということだと思う。「どの曲、どの方でなく、広く」聴くと答えた音楽も、次に質問したらもう少し具体的になるかもしれないと、これは希望的観測だ。

「キャンパスライフ写真」も公表してはどうか

悠仁さまの情報は、このようにきちんと正式ルートで増やすのが一番だと思っている。冒頭に書いた「キャンパスライフ写真」も、その一環として公表したらいいと思う。秋篠宮家といえば、バッシング。いつのまにかそんなふうになってしまったのも、正式ルートでの情報公開が足りないことが大きいだろう。知り合いの悪口をためらいなくSNSに書き込む人はそう多くないはずで、知らない人だから好き勝手に書ける。

2024年11月、秋篠宮さまは59歳の誕生日にあたっての記者会見で「当事者的に見るとバッシング情報というよりも、いじめ的情報と感じるのではないかと思います」と語っている。苦しさを口にしたが、対応策については「なかなか難しいと思います」と述べるにとどまった。

秋篠宮さま
秋篠宮さま。2016年5月11日撮影(写真=Presidenza della Repubblica/Attribution only license/Wikimedia Commons

秋篠宮さまは、「自分たちは天皇家より目立ってはいけない」と考えている。そう皇室担当記者から聞いたことがあった。「次男」として生まれた秋篠宮さまは、「兄」である天皇家への遠慮がある。そういう見立てだった。

悠仁さまは将来の天皇という立場だ。が、「次男家に生まれた長男」という複雑さを合わせもつ。だから情報も少なくなった。その皇室担当記者は、「悠仁さまは愛子さまと同じくらいスキーがうまい」と言っていた。愛子さまと同じだからこそ、悠仁さまのスキー映像が出なかったのかもしれない。

「皇位継承問題」はずっと先送り

ちなみになのだが、秋篠宮家でスポーツといえば、佳子さまのフィギュアスケートが有名だ。が、滑る佳子さまの映像を私たちが見ていたのは、愛子さまが生まれてまだ間もない、陛下がまだ皇太子だった平成の時代なのだ。

令和になって7年。悠仁さまの情報が増えてきた。宮内庁だけで方針は変えられないはずで、となると秋篠宮さまが「天皇家への遠慮」というハードルを、少し下げたということだろうか。

などと書くと、「愛子さまvs.悠仁さま」と読めてしまえるところがつらいところだ。だからこそ、言っておきたい。国会、何してるんすか? 皇位継承問題、ずっと先送りだ。今の国会でも結論を出せないと、額賀衆院議長が6月20日の記者会見で表明した。(NHK「皇位継承 額賀衆院議長 “秋の臨時国会に向け各党と合意形成”」2025年6月20日)

国会は、ずーっと皇族数確保のためどうするかを議論している。女性皇族が結婚後も皇室に残る案では与野党が一致できそうだけど、結婚相手や生まれた子どもを皇族とするかで割れている、と伝えられている。民間人男性が皇族になる仕組みをつくると、女系天皇の容認につながりかねないと自民党の麻生太郎最高顧問は主張しているそうだ。

今は、そっとしておいて差し上げたい

こういう国会とは関係なく、国民の間では「愛子天皇待望論」が盛り上がっている。毎日新聞が5月に実施した世論調査では、「女性が天皇になること」に賛成する人は70%だったという。国会と世論のそういうずれが、悠仁さまという存在を前面に押し出すのか控えるのか決めかねている。そんな秋篠宮家の苦渋を思うと、悠仁さまのバドミントン写真がいっそう愛おしい。

愛子さま
愛子さま。2022年12月23日撮影(写真=外務省/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

と書いた上で、私は女系女性天皇を認めるべきだと思っている。愛子さまのお人柄や能力という以前に、雅子さまの「適応障害」という病が「男系男子」の無理をはっきり示したと思うからだ。だけど国会はたぶん、ずっと「先送り」すると思う。だって悠仁さまがいるから。悠仁さまが結婚されて、男のお子さまが生まれたらOKでしょ。本音はそうだと思う。

と、いうわけで、悠仁さまは大変だ。筑波大学での学生という立場は4年間確保できた。卒業後、父にならって英国に留学すれば、都合6年は比較的自由な時間が保証される。が、秋篠宮さま(も陛下も)英国へ出発したのは、男性皇族がたくさんいた昭和という時代だった。となると……。

だから今のうちは、悠仁さまをそっとしておいてあげたい。同時に、宮内庁ルートの情報は豊富に。悠仁さまがどんな人か、どんどん解像度をあげていってほしい。一生、皇室にとどまる悠仁さまが「知ってる人」にならないと、皇室と国民との関係性は弱くなる。

共学育ちのまま、まっすぐ伸びていただく

ところで、筑波大学では、新入生を中心にした「やどかり祭」が6月1日に開かれたそうだ。そこで悠仁さまは、学生たちとの記念撮影に気楽に応じていたといくつかのメディアが報じていた。だがその写真がSNSで出回ることがなく、「学生たちの間で『悠仁さまはクラスメイトの一員』という共通認識があるからです」という大学関係者の言葉が伝えられていた(NEWSポストセブン、2025年6月30日)。

失礼を顧みず書くのだが、悠仁さまの皇族としての“売り”は「共学育ち」と思っている。幼稚園から中学までお茶の水女子大学附属、高校は筑波大学附属、大学は筑波大学。すべて共学だ。陛下も秋篠宮さまも幼稚園から大学まで学習院、中学、高校は男子校だった。悠仁さまの記念撮影を拒まない“こなれ感”も、共学育ちゆえでは、と勝手に想像している。

世界経済フォーラムによる「ジェンダーギャップ報告書」で日本は、2025年版でも118位と停滞中だ。皇室には社会を変えるインパクトがある。そっとしつつの情報公開で、悠仁さまには「共学育ち」のまま、まっすぐ伸びていただく。そのことがジェンダーフリーへの道になると、かなり本気で思っている。

皇居
写真=iStock.com/troikken
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