女性のお仕事バッグには、お金のリテラシーが見え隠れするもの。テレワークと出勤のハイブリッド型など、急に多様になった働き方の中でバッグや財布が変化した人も多いのではないでしょうか。FPの風呂内亜矢さんが、日々頑張って働くプレジデント ウーマン読者のバッグの中身を分析しつつ、そこに見えるマネーの悩みについてもアドバイスします。

【こだわり】コロナ禍でパソコン2台持ちに! バッグも不動産も1点投資です

不動産業界で施設運用や開発を担当してきた桑原晶子さん。2020年から投資運用の担当になり、「まだまだ勉強中」と新たな資格取得のために問題集も持ち歩く努力家。現在はテレワークが中心で、出社は週に1日。

桑原晶子さんのバッグの中身

「2年前に自宅マンションを購入しましたが、仕事をするとは考えていなかったため、オフィスのほうが働きやすいです。顧客先を回ったりパソコンを2台持ち歩くことも多い」

バッグは、35歳の記念に購入。大量に荷物を収納できるうえに、ビジネスファッションを邪魔しないデザインが気に入っているが、重い荷物の持ち歩きがつらく、中身がごちゃごちゃになるのが悩み。愛用のペンは普段使いと大事な顧客の前で使うもので分けている。

バッグ、ペン、不動産と大事なものに一点投資をする見極め力があるが、お金には少し不安もある。

「不動産購入は予想以上に現金が必要で、一時は資産がゼロ近くに。あらためて貯蓄に励んでいますが今後どのくらい手元に貯めるべき?」

【advice】浪費癖がなくて優秀! 現金は生活費の3〜6カ月分を

“ここ”という出費を決めているので、お金とのいい関係が伝わってきます。こういう人は浪費しないので、生活費の3〜6カ月分を貯めたら、以降は投資を検討してもいい。通常4万7000円程度の空港のプライオリティ・パスを年会費約1万円の楽天プレミアムカード付帯で活用しているのは賢いですね! PC2台は重いので、バッグは軽めのものをサブスクで使ってみるのも手。自分のバッグも大事に使えばサブスクで貸し出し、副収入にすることもできますよ。(風呂内さん)

【こだわり】40歳からは本革のバッグで勝負したい。カードで財布が重くなるのが悩み

「ハイブリッド勤務になり、時間の使い方が柔軟になったおかげで家族との時間が増えました。子どもが帰宅時に家で迎えられるのを喜んでくれます」と話す小野瀬涼子さんは、週2日程度を自宅勤務にしている。出勤の際は、顧客とのアポイントや商業施設の調査などで外を回る日が多く、たくさん入るプレジデント ウーマン誌のコラボバッグAwesomeが相棒。

小野瀬涼子さんのバッグの中身

「40歳を過ぎたら、本革のバッグで勝負しようと思っていたので、高級感もあって荷物も収まるこのバッグは大満足です!」

仕事ではパソコンを使うが、打ち合わせなどでささっとメモするにはやはり手書きがいいと、ノートとペンも必ず持ち歩く。自分用の口座、夫婦の生活費用の口座などのデビットカードやキャッシュカードで、財布を太めにしてしまうのが悩み。

「外出が多く、カフェやコンビニなどちょこちょこ支出が多いのが反省点。日々の支出が把握できていないし、夫婦別々の財布で、家計簿もつけていません。面倒くさがりな私でも家計管理ができる方法を知りたい」

【advice】キャッシュレス決済に変えて財布も支出もスリムに

キャッシュカードが多いですが、財布が重くなるうえ、現金を引き出すには手数料がかかることも。引き出しは最低限にして、クレジットカードやデビットカードを活用し、少額でもキャッシュレス決済に。家計簿アプリと連動させればすべて自動で記録できるので、まずは1カ月分の支出を把握しましょう。その分キャッシュカードも持ち歩かなくてよくなるので、財布も支出もスリムにできます。キャッシュレス決済に慣れれば、財布自体を持ち歩かなくてよくなるかも。(風呂内さん)

【こだわり】リュック&スニーカー通勤20年以上! 70歳まで働いて楽しく生きたい

さっそうとリュック&スニーカー姿で通勤する坂下由美さん。リュック通勤歴は20年を超え、グレゴリーのリュックもすでに4代目。ペンやパソコンを入れるポケットもある今のモデルが1番のお気に入りと話す。ヒール靴は普段は会社に常備し、出張のときもリュック1つで飛び回る。

坂下由美さんのバッグの中身

坂下さんは、地方都市で公務員を経験し、離婚と再婚を機に30代で東京へ、50歳で民間企業へと思いきった転職をした。

「50代になっての大きなチェンジは心配もありました。再就職では、契約社員から始め、2回転職して、今の会社に正社員で入社。収入や勤務の柔軟性も格段にアップして、今の仕事にやりがいを感じています」

健康維持と節約を兼ねて、会社帰りにスーパーに寄って食材を買い、リュックに入れて帰宅。作り置きをして、弁当も持参している。

悩みは趣味のカメラ機材費と酒代がかさんでしまうこと。また、親の介護費用も負担している。「できれば70歳まで働いて、老後は年金でも楽しくいけたら」

【advice】ポイントカードをアプリにし、月の必要金額は先に引き出す

リュックに常にエコバッグなど買い出しグッズを持ち歩いているのは、レジ袋が有料化されている背景を考えると堅実ですね。クレジットカードは持たない主義というのも、身の丈を超えた出費が抑えられるので手堅いと言えます。ポイントカードが多いので、アプリに変えると枚数が絞れて漏れもなくなるでしょう。キャッシュカードは月に必要な金額を先に計算して1カ月に1度まとめて引き出すようにすると、持ち歩かずに済み、財布も軽くなるし、出費も抑えられます。(風呂内さん)