読者アンケートに寄せられた昭和オジサンたちの驚くべき奇行の数々をご紹介! オジサンたちの涙ぐましい努力に唖然、呆然……事実は小説より奇なり!
社長交代で勢力図一変。新社長と同大学出身のオジサンらが大出世
イラスト=佐藤ワカナ、以下同

「私が見た昭和オジサンたちのイヤ~な社内政治」

来たりも来たり! 日本各地の企業で昭和オジサンたちが繰り広げる、社内での生き残りをかけたおかしな行動の数々、その報告数、ピタリ1000通! 世の働く女性たちのあきらめにも似たため息と、憤まんやる方ない声が聞こえてきました。オジサンたちの社内政治の場といえば「タバコ部屋」が有名ですが、そこであらゆる重要事項が決定されていると、女性たちは憤っているんです。

「毎日何度も役員とタバコを吸いに行き、社内公募の新たなポジション情報などを聞き出す。公募が出る前に自分の懇意の人間を推薦して滑り込ませ、自分の社内影響力を強める上司が……」(大阪・メーカー)

社内からタバコ部屋は消えても、飲み会やゴルフ、釣りなどオジサンだけのネットワークはまだまだ根強く、その強力なコミュニティー内で決定される重要事項も多々あるよう。

「喫煙所や居酒屋など業務時間外でもろもろ決定され、会議はその報告のためだけに開催。意に沿わない者には、時に会議の案内さえされないことも……」(東京・人事)。これでは、ヨイショ上手なイエスマンだけが生き残る仕組みを、会社自体が黙認しているようにも見えるわね!

オジサンたちの「でっち上げ大作戦」

次に多数報告されたのが、オジサンたちの「でっち上げ大作戦」。蹴落としたいライバルや、気に入らない同僚・部下の社内ネガティブキャンペーン展開に余念がない姿に、女性たちはあきれています!

ライバルを蹴落とすためにハラスメントでっち上げるオジサンたち

「マイナスロビー活動に躍起になっている」(京都・メーカー)や「目の上のタンコブのありもしない悪口を吹聴」(福岡・精密)したり、「『報告』という名の『密告』が横行。詳細であるほど高評価で、役職に近づく。報告することがない場合は、誇張やねつ造も」(東京・IT)など、やりたい放題! なかには「女性社員の評価をネガティブに報告」(東京・食品)するなど、そもそも女性社員を管理職に育てる気のない、差別的なオジサンが多数存在することも明らかに。これじゃあ、「指導的立場の女性を30%に」なんていう政府目標は、机上の空論にしかならないわね。

根も葉もないでっち上げを信じる役員もどうかと思うけれど、結局は、「出る杭は打たれる」「イエスマンしか出世しない」といった風土がまん延の様子。典型的といえるのが、社内派閥。「営業畑」「技術畑」などの業務派閥、さらに出身大学で構成される「学閥」などが多いけれど、どの派閥に所属するかで出世も左右されるから、その時々で派閥の勢力図を見極めて渡り歩くオジサンもいっぱい。「風見鶏」と言われても何のその。目標はいかに社内で上に上がるかだから、どう見られようとオジサンたちにはまったく関係ないのです。

「同大学出身、同営業所経験などの共通点で意気投合。でも、その派閥の上司が飛ばされたら、今まで悪口を言っていた別の派閥に潜り込み、前の上司はいかにできなかったか吹聴していた」(東京・流通)。これってドラマの世界でしょ……。さらに「部下に別派閥へのスパイ行為をさせる」(千葉・電機)、「親会社の出身派閥と、子会社の出身派閥のどちらともうまくやっていた直属上司が、さらにその上役から『おまえはどっち派なんだ!』と迫られていた」(埼玉・メーカー)など、派閥の仲良し人事で管理職を選抜する、男性特有の社内政治の構造を見た!という人も。

同じ大学出身ということで上層部にかわいがられる女性もいるけれど、なかには、「社長が交代したら、新社長と同じ大学出身のオジサンたちが突然出世。でも同じ大学出身でも女性には特に恩恵がない」(福岡・営業)と嘆く人も。また、「男性は上司に気に入られると出世できるが、女性はたとえ気に入られても、飲み会のお飾りになるだけ」(兵庫・金融)と、女性には社内政治が適用されにくいと感じる人も多いわね。

毎年欠かさず盆暮れの贈り物や年賀状を上司の自宅に送る

上司・役員に気に入られることが、出世の前提条件と認識する男女は多いけれど、上司に気に入られるための昭和オジサンたちのすごい社内政治もご紹介。まず、毎年欠かさず盆暮れの贈り物や年賀状を上司の自宅に送るのは、典型的な昭和の社内政治。虚礼廃止の現代でも続けるオジサンたちは、思いのほか全国に多数存在するよう。

そのほか、「上司に誘われれば、ふだん毛嫌いしているキャバクラへも喜んで一緒に行く」(東京・営業)、「上司からのメールには、必ず『感謝』『賞賛』『同意』の返信(部下・同僚にはぶっきらぼう)」(宮城・建設)、「上司の私的な買い物やレジャーの予約を代行したり、引っ越しを手伝ったりする」(東京・商社)など、プライベートを犠牲にし、休日でも上役に取り入る涙ぐましい努力も見られます。

また「毎週末、ゴルフ場まで社長を車で送るため、早朝から自宅前で待機。毎朝、社長に挨拶するため、エレベーター前で出社を待ち続ける……」(埼玉・サービス)なんて人も。もしかして、それが唯一の仕事なのでは? また、「過剰な早朝出勤や休暇返上で働き続ける」(千葉・保険)など、昭和型モーレツ社員ぶりを見せつけるオジサンも……。

社内政治は出世につきものというけれど、こんなイヤ~な社内政治ならしたくないと思う女性がほとんど。だからこそ、女性ならではの力で同性を味方につけ、時に賢く社内を立ち回りましょう!