プレゼンもオンラインで実施となると、これまでとは違う準備が必要に。ZoomやMeetなどの会議ソフトに表示するスライドは、中身はもちろん構成(表示順)もオンライン仕様に変える必要があります。その効果的なやり方を3つのステップに分けて紹介します。

1.プレゼンの「全体」と「現在地」がわかるように構成する

オンラインで本格的なプレゼンをする場合は、資料を示しながら「全体」と「現在地」を分かりやすくしておきましょう。常に構成を意識することは、リアルな会議以上に工夫すべき重要なポイントです。

まず、資料の「目次」を作っておきます。目次はいわば商業ビルにおけるフロアマップ。全体が何階建ててで、どの階のどこに何があるのかを示します。

目次のスライドも、これまでのように文字を羅列するのではなく、チャートにするとわかりやすいでしょう。サンプルのような「現状報告書」ならば、まず課題を示した上でさまざまな評価を詳しく解説し、最後に解決策を示すという大まかな流れをチャートにして見やすくします。

オンライン資料におすすめの構成
© 2020 AND CREATE
一瞬で伝わる目次の作り方Before&After(© 2020 AND CREATE)
一瞬で伝わる目次の作り方Before&After(© 2020 AND CREATE)

2.「伝えたいこと」「決めたいこと」を最初と最後に示す

目次の次に提示したいのは「要約」。本編を始める前に、自分がこれからどんなことを提案し、どんな回答を求めているのかを簡潔に伝えます。「この会議で決めたいこと」をひと目で分かるように示し、上司や取引先への要望をはっきりさせることで、目的を共有しやすくなります。最後にプレゼンを終えるときにも、この流れを振り返り、承認してもらいたいことを強調しましょう。

要約シートの作り方
要約シートの作り方(© 2020 AND CREATE)

さらに、オンラインならではのテクニックとしては、プレゼン本編の合間にディバイダ(区分)を作っておき、本編の説明がひと段落したタイミングで「今、目次のどこまで来ているのか、何を話しているのか」という現在地を全員で共有します。

逆に、本筋と関係ないことは、思い切って最後に補足資料として入れておくのがおすすめ。最初から「ここも質問されるかもしれない」と心配になってデータなどを入れ込むと、本編がどんどん増えてしまい、ただでさえオンラインでは主張が伝わりにくいのに、相手の集中力が途切れてしまいます。必須ではない項目は補足にまとめ、「もし、聞かれたら見せればいい」と割り切りましょう。

3.リアルタイムの議事録で相手から結論を引き出す

プレゼン本番では、議事録をリアルタイムで作っていきます。Googleドキュメントなどを立ち上げておいて、プレゼンと同時進行で書き込む。参加者のみなさんで双方向に書き込めるので、意見をもらったら忘れないようにどんどん記録しておきましょう。自分がメインでプレゼンをする立場なら、サポートしてくれる人を決めて議事録を作ってもらい、リアル会議のときホワイトボードに書いていたような感覚で意見を整理します。図表3のような要約シートを誰でも編集できる状態で共有し、そのファイルに書き込んで議事録代わりにするという方法もあります。

要約シートを議事録として活用することも可能
要約シートを議事録として活用することも可能(© 2020 AND CREATE)

いずれにせよ、プレゼンが終わった瞬間には議事録ができているというのが理想です。会議後に改めて作成すると、記憶が定かではなくなりますし、余計な時間がかかって生産性も落ちます。また、後で共有すると上司などに「これは会議で話したことと違う」と言われてしまい、「もう一度、話すの?」という困った事態に陥りがち。取引先なら、なおさら、もう一度時間いただくわけにはいかないので、やはりプレゼンを終わらせるときに議事録を示しながら「今日はこういう話ができましたね」と確認し、「では、承認を」と迫りたいところです。つまり、議事録はスムーズに合意に持っていくための武器にもなるのです。