ネット婚活は、40代以上の独身女性にマッチするのか?
今、ネット系婚活サービスを利用した結婚がジワジワと増えている。リクルートブライダル総研の調査によると、2018年度の婚姻者のうち、婚活サービスを通じて結婚した人の割合は全体の12.7%と、過去最高を記録。その中でもネット系婚活サービスを通じて結婚した人が7.4%を占め、実に13人に1人がネット系婚活サービスを利用して結婚をかなえていることになる。
ネット系婚活サービスとは、いわゆる「婚活アプリ」を利用して、自分の写真やプロフィール、趣味などを登録してオンライン上で相手を見つけるサービスだ。利用者の多くが20代、30代が中心だが、もちろん40代以上の利用で成婚に至っているケースも少なくない。
「出会い系」と混同し、「怖い」「犯罪に巻き込まれそう」といぶかしむ人もいるかもしれないが、出会い系とはまったく別物。こちらはいずれの世代の登録者も、結婚を視野に入れたまじめな出会いを求める独身男女が登録していることからも、安心して利用できるようだ(もちろん、婚活アプリを装った不健全な出会い系アプリもあるので、要チェック!)。
桜井さんによると、「40代も、ネット系婚活サービスを利用する人が増えてきています。この世代の特徴として、女性のキャリア進出が増えた世代、さらにITの進化もリアルタイムで体感してきています。ツイッターをはじめインスタ、フェイスブックなども積極的に利用する世代で、婚活市場でもアクティブな層です」。また、ネット系婚活サービス自体がまじめなコミュニティであることが認知されたことも要因だと語る。
ひと昔前と違って、親戚や隣近所のおせっかいなおばさん、世話好きの上司らが見合い相手を見つけてくれることもなくなった現代、独身男女のコミュティは狭まるばかり……そんな男女の出会いの場を広げるきっかけとなるのが、婚活アプリなのだ。
では、どんなタイプの人に婚活アプリは向いているのだろうか。
「自分のペースで相手を探したい人、見ず知らずの人とのやりとりに抵抗のない人、まめな性格の人が向いています」と桜井さん。誰かに相談しながら進めたい人、背中を押してもらいたい人は、カウンセラーやアドバイザーのいる「結婚相談所」が向いているとも。また、たくさんの人の中から選びたいという人、社交性のある人は「婚活イベント」が向いているよう。
「もちろんアプリのみの人、結婚相談所やイベントを並行利用する人もいます。出会いの場を広げたいなら、アプリを複数利用するのもいいかもしれませんね。アプリは無料で登録できるものが多いので、まずは気になる婚活アプリ2、3個に登録し、使いながら試していくといいですよ。それで有料ユーザーに移行して1個に絞ったり、並行利用したりしながら、いいなと思える相手に出会えるまで使ってみましょう」
とはいえ、普通に登録するだけで“いい出会い”に巡り会えるのか……。
「実は、登録の際にコツがあるんですよ」
なんと、ここを間違えると“いい出会い”が遠のく可能性もあるという。
見えなすぎ・加工しすぎ・書かなすぎ・書きすぎのNG!
まずは、見た目。自分のプロフィール写真だからこそ、必要以上に気を使った写真をアップする人もいるだろう。「プロフィール写真は数枚登録できますが、著作権や個人情報に関わるもの、顔が全く写っていないものは画像アップの際のAI審査ではじかれます」。マンガなどの画像、似顔絵も審査に引っかかる。
「必要以上の画像加工、盛りすぎたヘアメイクの写真などは、マッチングした相手と実際に会った際のギャップ感につながります。プロフィール写真が『加工っぽいな』と思われるとマッチング数が低くなる可能性も高まります」
婚活アプリにNGなプロフィール写真のポイント
① 個人情報や著作権、肖像権に関わるもの
例えば……
*マンガのキャラクター
*複数人の顔が写っているもの
*タレントなどの画像
② 顔がまったく写っていないもの(後ろ向き、首から下、よく見えないなど)
③ “薄暗い室内”“生活感が見える室内”で自撮りしたもの
④ 着飾った写真
⑤ 実物以上によく見せようとする意図的なもの
例えば……
*年齢以下に見せようと画像加工アプリを駆使
*ぽっちゃり体型をほっそり加工したもの
好感度を上げるプロフィール写真のポイント
① 顔が“はっきり見える”
② 背景が明るい
③ 日常的な雰囲気
上記3つのポイントをベースに、動物好き、趣味や性格が垣間見られる画像を含め数枚アップして、自分の日常の雰囲気やキャラクターをアピールするとよいだろう。
次に、自己紹介文。本人をイメージしてもらいやすいプロフィール文を心がけることが大切だ。
「第一印象重視の観点で考えると、否定的なことは書かないほうが無難です。ここで間違うとマッチングの確立が下がりかねません。また、本当は内向的なのに元気いっぱいの文章にしたりすると、元気な人が『いいね』を押してきて、実際に会った際、相手にギャップ感を与え、自分は疲れてしまうなどにもつながります。素の自分をきちんときれいに書くことが大切です」
40代女性の自己紹介文のNGポイント
① 真剣みが伝わらない、素っ気ない短文
例えば……
「こんにちは。よろしくお願いいたします」のみなど
② 絵文字だらけの子どもっぽい文
(絵文字は、3つまで)
③ 何かに対する否定的な意見を盛り込む
例えば……
「山登りは嫌いです。日やけするのもイヤですし、自分が汗臭くなるなんて想像できません」など
④ 他人からの評価を書く
例えば……
「私は天然です」「誰からも好かれます」「よく『若いね』と言われます」など
⑤ 本当の自分の性格を書かない
絵文字を多用した子どもっぽい文もさることながら、ネガティブ意見を書きすぎると「この人は、ネガティブだ」と敬遠されかねないと桜井さん。また、本来は他人からの評価であることを自身が書くと、“あざとい”印象を与えかねないのでこちらも注意が必要だ。
マッチングした人とメッセージ交換、そしていよいよ……
プロフィールを登録し、さまざまな項目にチェックを入れたら、いよいよ、お相手探し。入力したさまざまな条件に近い男性が絞り込まれる。気になる人がいたら、「いいね」を押そう。相手から「ありがとう」の返信が来たら、マッチング。もちろん、男性から「いいね」が来て、自分が「ありがとう」と返信したらマッチング成立だ。ここからメッセージ交換がスタートする。そこで気になるのが、どんなメッセージがベストかということ。
「男性からいきなり『会いましょう』と言われたら女性は引いてしまいますよね。その感覚と同じです。詳細なプライベートにはあまり触れず、重すぎる内容にはせず、メッセージ交換を何度か重ねることが大切。最終的には会うことが目的ですが、会話のキャッチボールが続く状態をめざしましょう」
メッセージ交換でのNG
① 「ありがとうございます」などの、ひと言だけのメッセージ
② 長文すぎるメッセージ
③ はじめての相手が引くような内容
例えば……
「結婚は○○までにと考えています」「これが最後のチャンスだと思っています」
「会社の名前は?」など
メッセージ交換では、お互いに気になった理由や、相手が簡単に答えられる質問を返すこと。長すぎず、短すぎず、この段階では4〜8行程度のメッセージが適正のようだ。また、相手から「いいね」をもらっても、自分のタイプの男性でなければ「ありがとう」を返さなければメッセージ交換に進まないので、「悪いから」と、相手を気にして返信する必要はない。こうやってマッチング相手をふるいに掛けていくのがコツだ。ただし、ふるいに掛けるほどの「いいね」をもらうにもコツがあるよう。
「40代の女性には、恋愛をたくさん経験し結婚相手への理想が高い人も多いですが、相手のスペックなど『条件』にこだわりすぎないことが大切。アプリでは身長・年齢・年収・職業などなど、検索項目がいくつもあります。過去の恋愛経験を引きずりすぎたり、理想ばかりで絞り込んでいると、マッチングする相手は限りなく少なくなっていきます。大切なのは、絶対に自分が譲れないこと、譲れることを整理することです」
40代女性が陥りやすい、相手の条件のNG
① 自分より年収が高い人
② 自分より身長が高い人
③ 大手企業に勤めている人
④ ○歳年下・年上など、年齢を限定しすぎる
⑤ 未婚者に限定
マッチングUU数〜趣味ランキングTOP10
1 美味しい食べ物が好き
2 温泉が好き
3 旅行に出かけたい
4 映画が好き
5 音楽が好き
6 グルメ・料理が好き
7 お酒が好き
8 お肉が好き
9 キレイな景色が好き
10 スポーツが好き
出典:リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ縁結び」(2018年)
※リクルートマーケティングパートナーズの婚活アプリ「ゼクシィ縁結び」利用者により、趣味に関してマッチングした内容のランキング。食べ物・エンタメ・旅行が上位に。
恋愛&人生経験豊富な40代こそ、こだわりを整理しよう
条件にこだわりすぎると、マッチング率は必然的に下がる。婚活サービスを利用する最終目的は、“いいな”と思える男性と、実際に“会う”こと。婚活アプリを利用しているのに、なかなかマッチング相手が現れないという人は、自分自身がハードルを高くしていないか見直してみよう。
また、たくさんのマッチング相手と長期間やりとりし続けるのも「婚活疲れ」を招く要因と桜井さん。
「徐々に絞っていき、3、4人程度とのメッセージ交換がベストです。そして実際に会ってみること。会えば、意外に自分の条件にピッタリでなくても価値観が一緒の人もいるはず。まずは会うまで進めましょう。会う間隔も毎週末は避け、隔週で1人に会う程度がオススメです。毎週知らない人に会うのは『婚活疲れ』につながりますから。婚活期間は1〜2年くらいを目安に、コンスタントに会える状態をつくりましょう。焦らず、長い目で見ながら楽しむこと。婚活は楽しくないと意味がありません」
価値観の合う相手を見つけることが、婚活の最大のポイント。結婚を急ぐあまり、ここをないがしろにすると失敗につながるから注意しよう。
昔付き合った男のような「『三高』な夫」でなければいけないのか、「誰にも自慢できるかっこいい夫」「上場企業勤務の夫」「ガンガン稼ぐ夫」でなければいけないのか……。世の中には、他人から見れば「ダサい」「かっこ悪い」「妻より稼ぎが低い」「まるでオジサン」「ヒモにしか見えない」ような夫もいる。それでも互いに支えあい、うまくいっている夫婦は、容姿や経済力といった条件だけでなく、価値観が合致しているのだろう。
婚活アプリに限らず、いずれの婚活サービスであっても、40代の婚活を成就させるためには、「どこにこだわるのか」を自分自身が見極めることがもっとも大切だ。
まとめ 40代の婚活で大切なこと
① 相手のスペックにこだわりすぎない
② 価値観が違いすぎない人を選ぶ
③ 過去の経験に縛られすぎない
(これまで周囲にいなかったようなタイプにも積極的に)
④ 減点方式より、加点方式で相手をチェック
⑤ 行動することを億劫がらない
(積極的に「いいね」を押す、相手と会う)
⑥ 焦らず長い目で、楽しむ
(1〜2年を目安にゆっくりと)