20代が嫌うマナーは、「若者言葉」や「ため口」
行為や態度でもっとも嫌われる社内でのマナーは男女ともに「出退勤時に挨拶をしない」こと。しかし、年代別に見ると30代以上では「挨拶をしない」ことが1位だが、20代では「若者言葉」や「ため口」のほうがもっと気になるという結果に。また、全体の回答率を男女別で見ると、女性のほうが多くの項目でマナー違反を指摘。小さなことに目を向けがちな女性と、小さな変化に気づきにくい男性ならではの結果なのだろうか。逆に見ると、女性は同性のちょっとした行為・行動で不快になりやすいともいえる。
続いて、社内での身だしなみマナーを問うと、圧倒的に女性は「露出の多いスタイル」が嫌い。一方、男性は女性が思う以上に「ジャラジャラと宝石・アクセサリーを着ける」女性が苦手。年代別では50代以上は男女とも「派手なネイル」や「濃い化粧」を嫌う傾向があることがわかった。
音は、男女ともに「舌打ち」が最悪のマナー違反。ニオイでは男女ともに「キツい香水」が挙げられた。身だしなみのマナーでも「その他」に「キツい香水」が挙げられており、身だしなみマナーとしてもNGのよう。
「既読スルーに腹を立てる」はマナー違反?
ソーシャルメディア時代の新しいビジネスマナーとして、SNSのマナーも考えておきたいテーマ。今回、自分がしてしまったSNSのマナー違反として用意した選択肢に対し、「すべてマナー違反だと思わない」という意見も寄せられたが、これらの行為を“迷惑だ”と感じる人もいる。自分ではセーフと思っていることが、他人にとってはアウトとなるケースはよくあることだ。
まず、自分がしてしまったSNSのマナー違反でいちばん多かったのが「深夜や早朝にメッセージを送る」こと。着信時の通知音やバイブレーションの音は気になるもの。緊急の用件でないなら時間を考えて送るのがマナー。しかし、これをマナー違反と思っていない人は多く、まだまだSNSの使用に関してはマナーが確立していない現状が見えてくる。また、メッセージを確認したのに返信しない、いわゆる「既読スルー」に腹を立てることをマナー違反と考えるのは、女性より男性が多い。だが、その傾向が強いのは20代。30代以上は年代が上がるにつれ問題視しなくなるよう。
次に、ビジネスでのSNS利用の目的を聞くと、「社内での連絡のため」が男女ともトップ。社内連絡にSNSを利用する企業が増えているもよう。同じく社内使用では、会社の情報発信で活用されるケースが3位に。企業ホームページと併用してSNSを利用し、いわゆる「映え」や「バズり(拡散すること)」を狙うことを業務とする人も。反対に、3位以下に「生活者の動向を知るために」という意見もランキングされ、SNSは情報発信だけでなく、情報収集にも活用されており、ビジネスにおいても大切なツールのひとつになっているよう。
では、SNS以外のITツールの利用は、ビジネスシーンでどの程度認められているのだろうか。社内外の連絡ツールとしてメールとチャットで比較してみた。今やメールは、ワークツールとして認められているが、チャットは年代別で認識の差が大きい。とくに60代以上は社外への連絡にチャットはNGと半数以上が答えている。また、マナーが問われる「お礼や謝罪の連絡」では、社内外ともに全世代、メールは許容範囲と回答する半面、チャットはカジュアルな印象が強いためか、許容しづらいよう。とはいえ、全般的に見るとITツールの社内外での利用許容範囲は確実に広がっているように感じられる。
品格ある人柄が生む、愛されるマナー
公共のマナーを問うと、男女ともに周囲のマナー違反に怒っている人が多く、半数以上の男女がトップ3すべての項目をNGに。小さな変化に気づきにくい男性も公共のマナー違反に強く不満を感じていた。詳細を見ると、乗り物マナーで、30~40代の女性は「子どもの靴を脱がさず、後ろ向きに座らせる」「ベビーカーを畳まない」など子どもに関わるマナーに厳しいことが判明。飲食店で1位の「店のスタッフに横柄な態度を取る」は、マナーではなく“人間性を疑う行為”と厳しい意見も併せて寄せられた。
最後の質問はエコについて。買い物時にマイバッグを利用する女性が多いことは想像できるが、意外にもマイバッグ派の男性も多い。また、男性は女性以上に「不要な電気を消す」「水を流しっぱなしにしない」ことを心掛けていることがわかった。
愛されるマナーとは、「あなたを気遣っていますよ」という行為・行動のこと。「職場で出合った最高のマナー」からも、品格ある人柄が見えてくる。今回の結果をもとに、自分自身の行為・行動を見直してみてはいかが。