よかれと思って日々、行っている美容法が、実は肌を傷め、老化を加速させることも……。皮膚科専門医の慶田朋子先生が、正しい美容法を教えます。
アジアの女の子の美しさの概念
※写真はイメージです。(写真=iStock.com/metamorworks)

間違い美容法1「毎日、拭き取りタイプの化粧水で角質除去しています」

角質を除去する拭き取りタイプの化粧水には、軽いピーリング作用があります。角質を除去すること自体は、肌のターンオーバーが整うため悪いことではありませんが、毎日行うのはやりすぎ。肌質にもよりますが、肌がゴワつきやすい人や、鼻のまわりなどの毛穴が詰まりやすい人は、週2~3回ほど行えば十分でしょう。

また、コットンを使うと、つい肌をこすってしまいがち。コットンを使うときは化粧水をたっぷりと、ひたひたに含ませ、コットンをゆっくり、じわじわと動かすようにして拭き取ってください。くれぐれも、肌をこすらないで。

もうひとつ、やってしまいがちなのが、肌を拭き取るたびにコットンをチェックし、汚れがつかなくなるまで何度も拭き取ってしまうこと。日本人はメラニンの産生力が高く、肌の一番外側にある角層にもメラニンが含まれています。ですので、肌を拭いたコットンにつく黒ずみは汚れではなく、角層に含まれているメラニンであることも。黒ずみがなくなるまでコットンで何度も拭き取るのは、肌に負担がかかるのでNGです。

このように拭き取りタイプの化粧水で角質を除去する場合は、「頻度」と「やり方」に注意することが重要です。

間違い美容法2「バスタイムにメイクオフ。シャワーで一気に落とします」

家に帰ってからお風呂に入るまで時間があるときは、帰ってすぐクレンジングだけ行い、軽くスキンケアをして、そのあとお風呂に入る、という流れがいいでしょう。特に、花粉症のシーズンは肌に花粉などが付着して、肌が荒れやすいもの。できるだけ早く、屋外で肌に付着した異物を取ることは、ゆらぎ肌や肌荒れ防止に役立ちます。

とはいえ、平日は仕事が忙しく、家に帰ったら食事とお風呂を済ませて寝るだけ、という場合も多いでしょう。そんなときは、入浴時にメイクを落としてOK。ただ、最初にメイクを落とし、W洗顔まで済ませてしまう人も多いと思います。そうすると肌がカサカサの状態で髪や体を洗ったり、湯船につかったりすることに……。入浴前にクレンジング剤を塗り、なじんだところで流す。そのあと髪や体を洗うなどし、W洗顔をするなら最後に。お風呂から出る直前に行ってください。

また、シャワーで顔をすすぐときは、水温が高かったり、水圧が強かったりすると乾燥を招きます。温度はかなりぬるめにし、水圧も弱くするのが正解。シャワーに手をかざし、手からしたたり落ちる水でクレンジング剤や洗顔料を流すのも、肌に負担がかからずおすすめです。