女性管理職の幸福度は高い!
くしくも朝活イベントが開催された日の前日、2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」が発表され、日本は前年の110位から121位へとさらに後退したことがニュースになりました。まだまだ女性のリーダーが少ない日本のビジネスシーン、現場で奮闘する女性たちの生の声が飛び交うイベントがスタートしました。
ディスカッションのための材料としたのは、『プレジデント ウーマン プレミア』2020年冬号の特集。7名の女性リーダーへのインタビューと、現役女性管理職385名へのアンケートから、女性管理職に必要とされるスキルを考察した記事です。
「どんなアンケートをとっても、半数前後の女性は『管理職にはなりたくない』と答えます。オファーを受けたときは不安も大きいですね。けれど、なってみると幸福度は高く、課長、部長、役員とステージが上がるごとに幸福度も上がる。この傾向も、やはりアンケートから明らかです。だから臆せずに階段をのぼってほしい」と編集長の木下。
本記事のアンケートで、管理職に必要なスキルの1位となったのが、『自分の感情のコントロール』。さらに、いただけない管理職の振る舞いとして挙げられたのも『人前で感情的になる』でした。ともすると感情的、ヒステリック、といったレッテルを貼られがちな女性。参加者の皆さんはどんな工夫をしているのでしょうか。
40代男性部下の対応にひと苦労
「淡々と説明すれば鉄の女、抑揚をつけて話せばヒステリック。どっちにしても何か言われる。それも直接ではなく、社内の評価制度を使って間接的に……。とくに40代の男性部下の対応に苦労しています。この先の昇進の見込みが厳しいという状況が見えてきた彼らをモチベートすることは本当に難しい。」と話すのは、消費材メーカーの営業部で課長を務めるAさん。
女性管理職がまだまだ珍しく、「女性」というだけで色メガネで見られてしまうジレンマは、多くの女性が感じているよう。重要な情報をわざと遮断したり、喫煙ルームのなかでの雑談で重要なことを決めてしまったりと、女性を排除しようとするような行動をとる昭和的男性もいるとか……!「あるある!」と次々に共感の声と事例が挙がりました。
「部下に対して何か指摘するときは、否定ではなく、『せっかくこんなに頑張っているのにもったいないじゃん』というように、ポジティブな声かけをするようにしています。また、1つ直してほしいことを伝えるときには、その前に2~3個ほめる。そうしないと、部長のせいで気分が滅入ったなどと、仕事ができないのを私のせいにされちゃうから(笑)」
コミュニケーションでの工夫をシェアしてくれたのは、IT系ベンチャー企業に勤めるSさん。部下のキャラクターに合わせ、やる気を引き出す声をかけていくのも、マネジメントスキルのひとつと言えそうです。
一歩を踏み出す決心がついた女性も
おいしい朝食をいただきながら、笑いの絶えないトークディスカッションは続きます。管理職をめざしている人、オファーを受けながらも迷っている人、会社を変えていくためにより発言力を得たいとさらなる昇進をめざす人、さまざまな立場からの本音に、会話は一瞬たりとも途切れることなく、濃密な1時間半の朝活となりました。
「管理職になるメリットってなんだろう」「女性の管理職のロールモデルがいない」と戸惑っていた方は、最後にこんな感想を述べています。
「管理職になるためには、もっと自信をつけたい。そのためには資格をとるなどの学び直しが必要かな、と思っていました。でも今日、みなさんとお話して、マネジメント層のスキルって、経験から積み上げていくものも大きいということを感じました。まずは一歩を踏み出してみることが大事ですね」
日々、決断を迫られ、ときには孤独を感じることもある管理職。ロールモデルが少なく、自分で切り開いていかなければいけない苦労もあるでしょう。けれど、やってみると意外と楽しい。おもしろい。やりがいがある。女性同士が経験や知恵を分かち合うことが、きっと女性リーダーがより活躍できる土壌づくりにもつながる。そんな確信を得られた、さわやかな朝の時間。しっかり朝ごはんも食べた皆さんは、颯爽と出社していったのでした。