将来のために、楽しみながらインプット
「自分の知らない世界を疑似体験させてくれるのが本の役割。発想を広げるために、あらゆるジャンルの本を読んでいます」と話すのは、「コラボラボ」社長の横田響子さん。毎週、複数の新聞の書評を読み、気になる本を読破している読書家である。
「追い込まれているときは、直球の情報を取るための本を読みますが、普段は、先々に備えてインプットする感覚で読書を楽しんでいます」
数年前に読んだ本が、手がけている企画に役立ったり、一見関係のない歴史の本が、未来の世の中を考えるときの指針になったり……。思わぬ場面で思考を豊かにしてくれる。
「『家康、江戸を建てる』は、ゼロから町をつくるときにどう人を動かしたかが書かれています。ゼロからビジョンを描くリーダーのあり方について考えるとき役立ちました」
また、仕事柄、女性社長と交流することも多い横田さん。彼女たちは本から得た内容を積極的にビジネスに生かしているという。
言語力を磨き、商品の魅力を語りたい
「あるジュエリー会社の社長は、アート本や古典など、“美しい言葉”が載っている本を読み続けています。言語力を磨き、商品の魅力を語りたいからだそうです。すてきですね」
一方、デジタルハリウッド大学メディアライブラリー館長の橋本大也さんは、「信頼できる情報源」として、最新情報をアップデートするために本を活用している。
「体系立てて書かれている専門家の意見に、何日もかけて向き合う。それにより、自分の考え方が刺激されたり、変わったりする。そんな体験ができるのは本だけだと思います」
ITや経済など、少々とっつきにくいジャンルはまず、“メジャー感があるもの”から読むといいという。「普段使うサービスや身近な事柄を扱った本なら入りやすいでしょう。『the four GAFA』は、フェイスブックやアマゾンなどの実態がわかりやすく書かれています」
AI(人工知能)も、その力を何かひとつ理解できれば親近感が湧くという。「『数字が明かす小説の秘密』は、AIを使って小説を分析するという変わった切り口の本。読み物としても面白いです」