生理期間中をいかに快適に過ごせるか。生理用品はいろいろあるけれど、肌へのやさしさをうたう「布ナプキン」を初体験! 気になる漏れの心配や、処理方法を体験リポート。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

「布ナプキン」支持派の具体的な理由とは?

定番の生理用紙ナプキンやタンポン、最近話題の月経カップや、エコ派の布ナプキンなど、生理用品とひと口に言ってもさまざまなものがある。また、最近では自分で経血コントロールをして一切アイテムを使わずに快適に生活するすべを身に付ける人もいるようだ。

どうすれば、あの憂鬱な一週間を快適に過ごせるのか。そもそも、なぜ女性たちは生理用品から解放されたいのか。

・何度もトイレに行って取り替えるのが面倒
・肌がかぶれてしまう
・ムレてかゆくなる
・下着が汚れて洗うのが面倒
・ニオイがこもる

などなど……快適とはほど遠いさまざまな生理期間中の悩みがあるからだろう。しかし、生理用品からの完全なる解放は、経血の漏れの心配などもあってなかなか踏み切れないのも事実。また、月経カップの挿入は、まだちょっとハードルが高いと感じる人も。もっと体にもやさしくエコで、簡単に使えるものがないかという人たちが最近選択しているのが、布ナプキンのよう。

布ナプキンには、昔の人が使っていたイメージもあるが、便利に進化したことから、ここ20年ほどで使用者も徐々に増え、定着してきているようだ。

布ナプキン派が挙げる「布」のメリットは、

・かぶれやかゆみが出にくい
・ムレが少ないため、経血の独特なニオイがない(人により布ナプキンは経血のニオイがするときはある)
・長い目で見ると経済的
・繰り返し使えてエコである

など。

漏れ・ニオイ……ホントに気になるのか実際に検証!

そこで、かねて布ナプキンの存在が気になっていたライターTが、実際の生理期間中に装着体験をしてみることにした。

準備したのは、ウイングタイプとパッド3枚がセットになった、スターターセット。

最初に着けた印象は、ショーツのままのような(デリケートゾーンに触れる部分に異質なものをつけている感じがない)感覚。紙ナプキン使用時に感じていたVラインのあたりが擦れるような不快感がなく(個人的な体感印象)、単純に気持ちが良い。どの部位でも、肌に触れる部分はすべてコットン製とのことで、感触の柔らかさだけでなく肌へのやさしさを考えた設計になっているよう。

着けた際の膨らみなども気にならず“何かを着けている違和感”は感じない。また、立ち上がったときなどにドッと経血が出て紙ナプキンが吸収する際に感じる、あのヒヤッとした冷たい感触を全く感じなかった(こちらも感覚には個人差有り)。

しかし、“布”というだけあり、経血が漏れてしまわないかドキドキしたが、販売店によると、ポリエステル等製の中綿がしっかり入っているので吸水性や速乾性には優れており、衛生的で安心できるとのこと。

パッドの厚みは5mmにも満たないほどの薄さだが、確かにきちんと吸水し、漏れることはなかった(経血量が多めの人は、少ない日から様子を見て使用するのがオススメ)。さらに、まったく裏に漏れないどころか、パッド替えのときは裏返して使えるので、1枚で2回使用できる点はとてもお得さを感じた。

また、吸収面などからあの独特のニオイがしないかと気になったが、個人的には紙ナプキン使用時とそのあたりは大きな違いは感じなかった(着用者個人の感覚による)。

量が多い日はウイングタイプをつけ(スナップボタンで簡単にショーツに装着できる)、パッドをゴム部分に挟み込みセットで装着(いわゆる2枚重ねだ)。取り替え時はパッドを裏返して両面をしっかり使用。外出時間と経血量に合わせて予備パッドの数を調整するといいだろう。

ライターTは、多い日でこのスターターセットのパッド2枚を持ち歩き(装着分以外の替え用として)、1日で3枚を使用(裏表利用で紙ナプキン6枚分)。経血量が減ってきたら取り替えパッドの持参数も減り、ウイングタイプ1枚のみ、またはパッドのみ装着など、その時々に合わせて使い回せた。

左が今回用意した「スターターセット」。ウイングタイプ1枚とパッド3枚がセットに。中・右は、ウイングタイプ。表裏どちらもオールオーガニックコットンで、やさしい肌触り。片面にはパッドを差し込んで止めるゴムが付いている。
天然染め布ナプキン《ヒーリングムーンパッド スターターセット》4105円(税込み)日本製/オーガニックコットンyuga

「使い捨てない」をどう捉えるか

布ナプキン未経験の人の多くが気になっていると予想できるのが、「取り替えた布ナプキンどうするの?」問題。

一般的な紙ナプキンの一番便利で快適な点といえば、取り替えた際トイレに備え付けのゴミ箱に捨てられることだ。一方、人によっては布ナプキンのデメリットとも感じてしまう部分は「捨てない」ことかもしれない。

ライターTは、布ナプキン使用の先輩たちに“快適に持ち運び、使用し続ける方法”をいろいろとリサーチした結果、ポーチの中には替えの布ナプキンとともに、ジッパータイプのビニール袋を入れておき、使用済みのものはその袋に入れしっかりと密閉したうえでポーチに入れ、1日の最後に自宅で洗うというやり方に定着した。

洗う作業も面倒なのでは……と初めは思ったが、入浴のタイミングで一緒にやってしまえるため手間はなく、1〜2回やれば習慣化されると感じる。

経血専用の洗浄液などもあるようだが、個人的には重曹スプレーを吹きかけて入浴中に放置し、風呂上がりに冷水でさっともみ洗いし(温水は経血が固まりやすくなるので冷水洗いが推奨されている)、あとは服や下着と一緒に洗濯機へ。時間経過すると経血のシミは手強くなりそうなので、その日じゅうには洗ったほうがいいだろう(衛生的にも)。手もみ洗いしている間「なんだか自分にも地球にもいいことをしているかも」と思えるから本当に不思議だ。

使い捨てない不便さ、洗うことの面倒さについては、ポーチに入れるビニール袋はかわいいものを選ぶなど、個人的には小さな楽しみを持つことで解消された気がする。

ストイックな“エコ信者”でなくとも、自分のためにアイテムを変えてみることで簡単にエコな意識を持つことにつながるのかもしれない。

替えパッドを入れるジッパー式ビニール袋。かわいいものを選ぶと気分が上がるらしい。

選べる色柄で気分を上げる!

布ナプキンについて個人的に一番意外だったのは、無機質で素朴な色やデザインしかないのではと思い込んでいたが、コットン素材ということもあってか、まるでショーツを選ぶのと同じような感覚で、たくさんの色柄から選べること。さらに、オーガニックコットン製のものもある。

布ナプキンは今や、たくさんのメーカーからさまざまな種類の色柄が出ているようなので、自分の好みや気分に合わせて選ぶのも、“楽しみ”の1つではないだろうか。憂鬱な生理期間こそ気持ちが上がるような色柄を取り入れるといいだろう。

すべて変えずにうまく付き合う方法を探そう

生理用紙ナプキンでは、化学物質の成分が体内に吸収されてしまうと心配する人もいるようだが、それは間違い。成分が体内に入ることは決してないそう。間違った知識に偏らないよう、よく調べ、情報を取捨選択のうえ、自分に合った生理用品をうまく使いこなすのが快適さへの第一歩だ。

人によって快・不快の感じ方は千差万別。処理のラクさ、手に入りやすさ、など、便利さを求めるなら高機能の紙ナプキンやタンポンがいいだろうし、肌に触れた感触が気になる人やエコを考えたい人は布ナプキン、交換頻度の少なさや装着しない開放感が好きな人は月経カップをチョイスするのもいいだろう。

しばらく使用してみて感じたのが、個人的には、月によって経血の状況も変わったりするので、そのときどきにより布ナプキンと紙ナプキンを両方うまく使い分けるのも良いと感じた。

経血量や生理期間などは個人差があるため、オンの日オフの日、普段と旅行時など、うまく自分のスタイルに合わせて使用していくといいのでは。

かぶれやかゆみ、また生理時の不快さなど、体への影響を布ナプキンで軽減できるかどうかは個人差がある。最近は、パンティーライナー(おりもの用シート)も布製でたくさん出ているので、“布ナプキン”が気になっている人は生理用布ナプキンをはじめる前に、まずはライナーで着け心地や感覚を体験することからスタートするといいかもしれない。

布ナプキン同様にオールオーガニックコットンでつくられたパンティーライナー(生理用よりこぶりで薄め)天然染めのパンティーライナー《ヒーリングムーンパッド ラピスラズリ》1069円(税込み)日本製/オーガニックコットンyuga