ネット婚活が進化中
リクルートブライダル総研研究員の落合歩さんによると、「平均初婚年齢が上がり、晩婚化も進む中、結婚した人の中で5%にも届かなかった婚活サービス利用率が2014年から上がり、16年に11.3%になりました。これは行政が婚活支援に予算をつけたことと、インターネットの婚活サービスの認知が広がったことが大きいですね」。
ブライダル総研では、婚活サービスの中で何を利用していたかも調査。
「結婚した人は、複数のサービスを併用しています。婚活アプリも使えば、結婚相談所に登録し紹介してもらうなど、3つ以上のサービスを使っている人が多い」(落合さん)
16年には、恋活サイト・アプリを利用し結婚した人が急増。もはやネットサービスも無視できない!
結婚相談所にも異変あり!?
ブライダル総研のデータによると、昔ながらの結婚相談所が、婚活サービスの中で利用率はトップ。やはり仲人が親身になって世話をしてくれるシステムは強い!?
「婚活アプリは効率が良くコストが低いですが、自分から相手にメッセージを送って出会いをつくらなければいけません。その点、やはり結婚相談所は人を介するので、自分からアクションできない人には有効でしょう」(落合さん)
日々、マッチングアプリを使って婚活し“アプリ疲れ”してしまう場合も。ネット婚活評論家の澤口珠子さんは新しいサービスに注目している。「『エン婚活エージェント』に代表されるオンライン結婚相談所は、従来の相談所とちがって実店舗を持たないネット銀行のようなシステム。結婚相談所には行きたくないけれど、アプリよりもう少し身元が確かな男性と出会いたいという人におすすめです。料金も低めで利用しやすいですよ」
専任のコンサルタントが付き、定期的に相手を紹介してくれる。仕事をしながら無駄のない婚活ができる点では最も優れていると言えそう。
再婚市場も活況になりつつある?
晩婚化に伴い、離婚経験がある女性の再婚率も上がっている!? 「厚生労働省の人口動態調査によると、婚姻数の中での再婚の割合は約26~27%。10年前からほぼ横ばいです」(落合さん)。割合は増えていないが、以前はひっそりと再婚していた女性が、現在は英国王室に嫁いだメーガン・マークルのように堂々と再婚しているなど理解は広がりつつある。
再婚した人の実録コミックエッセイを連載中の「ゼクシィ.Premier」編集長・今西裕子さんはこう語る。
「体験談を読むと、みなさん早い段階で離婚していることを相手に打ち明けていますね。子どもがいる場合もそれほどマイナス要因にはならず、お子さんと一緒に楽しく結婚式を挙げている人が多いです」
リクルート・マッチングサービス事業企画部長の桜井まり恵さんは「実際の婚活市場でも離婚歴で不利になることは少ない」と分析。前出の澤口さんも「『marrish(マリッシュ)』のように、バツイチ女性やシングルマザーを優遇するアプリもあるので、再婚を目指すならぜひ活用を」と勧める。
リクルートブライダル総研
2007年、リクルート入社。コーポレートコミュニケーション室などを経て11年より研究員に。テレビ出演や講演多数。
今西裕子
ゼクシィ.Premier編集長
2005年、リクルート入社。「ゼクシィ」などを経て、33歳以上の結婚をターゲットにした「ゼクシィ.Premier」の編集長に。
澤口珠子
ネット婚活評論家
婚活コンサルタント。ネット婚活スクールを主宰し、最新の婚活アプリ事情に詳しい。著書に『はじめての「ネット婚活」』がある。
桜井まり恵
リクルート・マッチングサービス事業企画部長
「ゼクシィ縁結び」「ゼクシィ恋結び」を運営するマッチングサービス事業企画部長。婚活コンサルタントでもある。