それぞれ顔が違うように、足にも個性がある
「痛い」「つらい」靴は、見た目だけで選んだ靴に多いと、フットケアトレーナーの結城一さんは話す。「足にも個性があるので、長さ・太さ・幅の3つと、荷重時と非荷重時の足囲を計測して自分のサイズを知ることが大切」。さらに、立って歩く試し履きも重要。「ゆるめの靴は次第にゆるみが大きくなるので注意。多少きつくても、つま先が当たっておらず、かかとがピッタリしているなら大丈夫」。つま先は1横指(おうし)分(0.7~1.5cmくらい)余裕を。重要なのは、側面。「親指と小指の側面が靴に触れていて、かかとから中足部までキュッと締められる感覚のものを」と結城さん。きついと痛いは違う。つま先は余裕、横幅は締めると覚えておこう。「足のサイズは変化します。1、2年に1度はプロによる測定を習慣づけましょう」
歩きやすいハイヒールの条件は、(1)かかと部のカウンター(芯)がしっかりしている(2)かかとの接地面が広い(3)足を固定する(ストラップや、甲を覆う)部分があること。適切なヒール高は、5cm以下。これ以上高くなると骨格構造上、歩行に適さず、捻挫しやすくなるので注意しよう。
※1横指=人さし指を横に倒した幅をいう。 中足部=ウエストガースともいい、足の中間部のくびれを指す。
プロに測ってもらうのがベスト!
サイズで重要なのは、長さ・幅・太さの3つ。長さは、一番長い指の先から、かかとまで。足幅は、親指から小指の付け根の骨が出っ張った部分(ボールガース)の幅。太さ(足囲=ワイズ)は、ボールガースをぐるりと1周した太さ。靴の長さが短ければ、つま先で指が曲がり、長ければかかとが脱げ、いずれもタコなど足のトラブルの元に。つま先は横指幅1本分(最低0.7~最大1.5cm※個人差あり)の余裕があり、かかとは隙間なく収まる「ピッタリ」した靴を。足幅と太さが合った靴は親指と小指の側面が靴に触れ、かかとから中足部までが「キュッ」と包み込まれる感覚がある。
歩きやすい靴の条件
足裏の接地面が広く、甲のホールド部分が多いと歩きやすい。ハイヒールは基本的に足をキレイに見せるためのもので、甲が浅くかかとの接地面が小さいものが多い。長時間歩行には適さないと割り切ってシーンごとの履き替えや、市販の補助ストラップを利用して歩きやすくする工夫を。また、指の付け根で体重を支えることが多いため、タコなどの原因にも。また、合わない靴を長期間履き続けると、足裏の筋肉が衰えてアーチがなくなり、足指が使いにくくなるので注意しよう。
フットケアトレーナー
医学的見地から、足の機能や靴などに関する基礎的な研究と応用、さらに正しい靴選びを普及させる、NPO法人オーソティックスソサエティー所属のフットケアトレーナー。義肢装具士の資格を持つ。