仕事で説得力を持つのは、経営や財務など“ビジネスの数字”を語れる力。苦手意識のある女性もいるだろうが、実は、理解できると仕事がさらに面白くなる。そんな経済知識や経営、財務を学べる証券アナリスト(CMA)資格でスキルアップ!

「腑に落ちるまで」学んだことで、経営者視点が自分のものに

東海東京フィナンシャル・HD
戦略企画部 兼
ビジネス開発部 マネージャー
平田梨紗さん

CMAを取った時期:入社4年目
勉強した期間:1次、2次それぞれ2年くらい
勉強方法:参考書と問題集を中心にした独学。2次の前は予備校の模試を活用
勉強時間:平日の仕事前後。試験前は週末も

「証券アナリスト(CMA)資格を取ったことで、学びが仕事に役立ち、自社の状況を経営者目線で見られるようになりました」と話すのは証券会社でビジネス戦略策定や新規事業立案を担う平田梨紗さん。入社後、株式市場調査や債券トレーディング、事業企画などを経験。会社派遣のMBA留学を終えて、この5月に帰国し仕事に復帰したばかりだ。華々しい経歴にも見えるが、その陰にはコツコツとスキルアップに取り組んできた努力がある。

始まりは入社1年目に上司からCMA資格を勧められたことだ。

「外国株式市場や外国企業の調査を担当する部署に配属されました。大学で国際経済を学んだとはいえ、実務では初めてのことばかり。業務に戸惑う私に『財務諸表の読み方や企業分析にも役立つから勉強してみたら』と教えてもらい、自主的に勉強することにしました」
    
平田さんは、自分に合ったテキストを使い、丁寧に単元ごとに順番にノートをまとめた。

「一つ一つノートに書くのは時間がかかりましたが、自分が理解し、腑に落ちるまでやりたかったんです」

仕事の合間をぬって勉強時間をつくるように工夫し、平日は、朝早く出勤して30分ほど集中し、夜は勤務後にノートづくりやテキストの読み込みに2時間ほどかけた。さらに試験前には、休日に有料自習室での勉強や、勤務の合間や昼休みに復習をプラス。ロンドンに1年間、研修で滞在している間も、参考書などを持参して継続したという。

「一番苦労したのはそれまで勉強したことのなかった『財務』でした。何度もノートをつくり直しました。『経済』は、CMAの勉強でマクロ視点が学べたことで経済全体が俯瞰(ふかん)できました」

経済は、アメリカでのMBAの学習科目にも同様の内容があり、英語で同級生に教えてあげられるほど身についていたそう。

「私は要領がいい方ではないんです(笑)。独学で、1次の合格までに2年、2次の合格までに2年かかってしまいました。でもその分、しっかり自分のものになり、業務でも理解できることが格段に増えて、仕事の幅が拡がりました。今、新規ビジネスをつくっていく仕事という、社会人になって初めて教科書のない最先端の分野に身を置いていますが、それが面白いと思えるのも、これまで知識を磨いてきたおかげですね」

学びは、なりたい自分へのプロセス。会計士から、さらなるスキルアップ

スタディプラス 取締役CFO
中島花絵さん

CMAを取った時期:転職をしてIRを担当し始めて2年目
勉強した期間:約1年間
勉強方法:CMAの公式テキストを使って独学
勉強時間:主に休日の午前中

資格取得など、学びへの意欲を持つ人が情報交換をしたり、スケジュール管理や仲間づくりもできる無料アプリ「スタディプラス」。運営する同名の会社でCFOを務める中島花絵さんは、2度の転職で大手企業からベンチャーまで異なる業態や仕事を経験していくうちに「学ぶ」ことへの意識が変わってきたという。

「私にとって学生時代に取った公認会計士の資格は大手会計事務所への就職の切符であり、むしろ働きだした後に現場で学ぶことの方が多かったです。会計士が扱う財務諸表は結果であり、その結果に至るまでに企業は数字を通してどんな意思決定を行うか知りたくなり、ベンチャー企業に転職。IR担当となりました」

株主や投資家に対して、自社の財務状況や経営計画など投資に必要な情報を提供していくのが、IRの仕事。いわば投資家向けの広報という重要な立場だが、相談できる先輩もおらず、投資家やアナリストと仕事を一緒にしながら1年ほど手探りでこなした。

「業務を進めながら、自分がIRとして必要な情報を提供できているのだろうかという不安がありました。仕事でお会いする方々の名刺に証券アナリスト(CMA)資格とあり『この人たちと同じレベル、同じ言葉で話せるにはこれだ』と思い立ちました」

中島さんは、すでに業務経験があったこともあり、短期集中型でトライすることを決意。受講申込後に届くCMAの公式テキストと問題集を使い、ノートにまとめながら週末で集中的に勉強をした。

「本当に実学に近い学びばかりでした。『証券分析』でのバリュエーション(企業の価値評価)や時間的価値という概念は会計士にはない考え方で、その後担当するM&Aには必須となりました。一方『財務分析』は、財務諸表を読み取るだけでなく、会社の経営が理解できるようになり、IRなどに携わらない人でも社会人の知識としてオススメです」

現職に就いた後も、CMA保持者が意思決定にいることが、ベンチャーキャピタルからの信頼感にもつながっていると話す。

「CMAは今後経営に関わる人に受けてほしい、“上場市場のお作法”のようなものですね」。中島さんにとって学ぶとは、「自分がこうなりたいという姿へのプロセスであり、目標を持つこと」。今後も業務を通じて、気づきや出会いのある学び環境を提供していきたいと抱負を語った。

(注)所属、役職は取材時のものです。

証券アナリスト(CMA)資格とは?

確実なスキルアップに証券アナリスト資格!

会社の実力を見極めて、株価がその会社の実力を正確に表しているのかどうかを分析するのが“証券アナリスト”。そのために必要な知識を勉強できるのが、“証券アナリスト資格”です。企業財務や投資理論の学習、資本市場の理解、M&Aに必要な知識が得られます。

証券会社だけにとどまらないCMAの活躍

資格を取るには?

Text=岩辺みどり Photograph=工藤朋子