日本中で演奏会も! プロ顔負けのハイレベルな技術で部活動の枠を超えた活躍ができる街とは。

演劇部、吹奏楽部「文化部強豪」公立中学校を取材

編集部では、過去5年のデータを基に、「関東の文化部強豪公立中学校」を調査。その中から、吹奏楽部と演劇部をピックアップ。文化部バリバリの街にも、モリモリの街同様、超熱血な名物顧問の存在と熱意ある地元の関わりがあった。

赴任2年目で、横浜市立希望が丘中学校演劇部を全国大会まで導いた顧問の泉山友子先生。2018年で顧問になって8年目だ。

「部員たちの個性を大切に、“内に秘めたるものを伸ばしていこう!”という思いを込めて指導しています。伸びやかに動くことが求められる演技にとって、変人であることが一番大事(笑)。子どもたちがダイナミックに変わる瞬間を目の当たりにすることが、何より楽しくドキドキしますね。卒業生たちの就職率もいいようなので、社会に出ても役立つことが多いと感じます」

大道具の運搬にかかる費用を保護者が夏祭りの収益で工面したり、募金を回覧板でお願いしたりと、地域の応援も活発。泉山先生は「希望が丘は温かい街です!」と語る。

千葉県松戸市立第四中学校吹奏楽部顧問の須藤卓眞先生は、「音楽は勝ち負けではない。人にどう伝えてどう感動してもらうかが勝負!」がモットー。独自のパフォーマンスやダンスも取り入れた、躍動感あるステージングが魅力の第四中は、全国大会の常連校だ。

「吹奏楽に必要なのは、思いやりと協調性、気配り、そして主体性。地域や保護者の方の関心が高く、理解があり、差し入れや引率も積極的にしていただけるので、私たちは感謝の気持ちを演奏に変えるのみ」と須藤先生は話す。

(左上)横浜市立希望が丘中学校 演劇部顧問 泉山友子先生 中学演劇界を代表する指導者。生徒の“伸びやかさ”を引き出す指導がモットー。若い頃はつかこうへいの舞台にハマる。
(右上)この日は大会の直前。クライマックスシーンの立ち稽古にも熱が入る。
(右下)千葉県松戸市立第四中学校 吹奏楽部顧問 須藤卓眞先生 吹奏楽部を全国大会へ導くトップレベルの指導者。他校との合同練習も行う。イベントでは自身の生歌も披露。
(左下)地域のイベントの大トリを飾る。オファーがあれば遠征も!

わが子に通わせたい関東の「文化部」強豪公立中学校29校リスト

「依頼をいただければどこへでも遠征します。北海道から九州までみんなで行きました」。もちろん遠征には保護者たちの負担もあるが、親同士が後援会として一丸となって子どもたちをサポートしているのだという。「横のつながりも強く、今は松戸の街全体が、吹奏楽で盛り上がっていると思いますよ」

どちらの部員も主体的に行動するのが印象的だった。「息子や娘を文化部バリバリに育てたい!」と願うママは、こうした中学校に照準を合わせて、引っ越しを考えてみるのも1つの手段かもしれない。