産後ケアの需要の高まりとともに、産後ショートステイの利用に助成をする自治体も増えてきている。

ワーママが地域とのつながりを持てる場に

「産後院」と呼ばれる施設がママの間で隠れたブームという。

聖路加助産院 マタニティケアホーム所長の山内淳子さんによると、厚生労働省が2001年から進める「健やか親子21」の取り組みがきっかけで広まったという。

「親御さんが遠方にいるなど、育児の知識がある人の助けを借りづらい状況もあり、私たち助産師のサポートが必要とされています」

聖路加助産院はスタッフ全員が助産師。利用に際しては、最初に問診をして妊婦の希望や心身の状態を確認。その人に合う過ごし方ができるように配慮してくれる。ステイ中は、育児や授乳の指導や、乳房や背中のケアのためのアロママッサージも受けられるそう。

ワーママが産後院を使うメリットとして、武蔵野大学附属 産後ケアセンター桜新町を利用した住枝志保さんによれば、地域とのつながりができたことだという。

「私は長女の出産の3カ月前に、世田谷区に引っ越してきました。当然知り合いもいなかったのですが、ショートステイを利用したことで、母親同士の横のつながりができました。また施設の助産師さんは地域に根ざした活動をしている方だったので、今でも何かあると相談しています」

働くプレママは臨月まで忙しく、昼間は出勤しているため地域とのつながりが少ないことが多い。

ショートステイを活用することで、体を休めながら、新生児を育てるノウハウを効率的に吸収でき、また地域とのつながりもできるとなれば、メリットは大きい。

自治体の助成があるとかなり安価に利用できるし、もちろん一般利用も可能。出産の前には、近くの施設を調べてみては。

(左)聖路加助産院 マタニティケアホームは、2016年より品川区が、17年より中央区がショートステイ利用の助成を始めている。母乳外来や母親学級も併設。(右)世田谷区で産後院を利用した 住枝志保さん コンサルティング企業勤務。5歳の女の子と1歳の男の子の母で、いずれも武蔵野大学附属 産後ケアセンター桜新町を利用。