「お金」の面でサポートでは群を抜いている
行政の子育て支援にもさまざまあるが、やっぱり気になるのがお金の補助。23区の中でワーママに注目されているのが渋谷区。子育て支援対策を「お金」の面でサポートすることにかけては群を抜いているからだ。
例えば、保育園を考える親の会の調査によると、中間所得層の3歳未満児の保育料は他の区では月に2万円オーバーが大半だが、渋谷区は7490円と破格だ。そのうえ、最大10万円の出産祝い金や、認証保育所などの場合は認可園との差額を区が補助するという充実ぶり。待機児童も多く保活は厳しいが、入園権を獲得すれば手厚く守ってもらえる。
渋谷に住んで5年という茶屋奏絵さんは、子どもを授かってみて初めて、支援の手厚さに驚いたという。
「2歳の子を認可保育所に通わせていますが、やっぱり他の区と比べて激安。0歳から3歳まで預ければ、他の街に住んだときより相当プラスになります」
平日は家にいない共働き夫婦には住みやすい
優しいのは保育料だけではない。「入ってみれば、渋谷区は保護者にも優しかったです。認可園なのに、子どもが昼寝をする布団カバーの準備とか、使ったオムツの処分とか、細かいことは全部園が面倒をみてくれるんです。他の区のママ友から、布団カバーは買って持参すると聞いたので、渋谷区は何から何まですごいなと」。
公園や児童施設もたくさんあるので、平日は家にいない共働き夫婦には住みやすい、と茶屋さん。
「休日には代々木の“かぞくのアトリエ”などで子どもと過ごしてます。地下には小さな体育館もあるし、幼児が安全に遊べる施設は助かるので。土曜日の午前中にのんびり遊べる絶好の穴場ですよ」
ここはもともと学童保育のために使っていた施設を、2013年に改装して造られたこども・親子支援センターだ。
アトリエ館長の新堀桂子さんは、「月1回、“こども食堂”を開催し、共働きのお子さんが優先的に参加できるようにしています。個食のお子さんに、大勢でご飯を食べる機会を持たせてやりたいですね」と語る。
渋谷区の人気は、こうした街ぐるみでのワーママのフォローがベースにあるようだ。
(左)渋谷区が運営する子育て支援施設「かぞくのアトリエ」。1階では親子サロン、2階ではアートスクールなど親子の学び場としても人気。(右)渋谷区にお住まいの茶屋奏絵さん 2歳の子どもを育てながら、大手求人広告企業でバリバリ働くワーママ。休日は、家族で新宿御苑や児童館でのんびり。