何も知らない子どもに説明するように

「資料づくりのプロ」として知られる森重湧太さんは、たとえ社内向けのプレゼンでも、「相手が内容について情報を持っていることを前提に、文章を書くべきではない」という。

「“誰が見てもわかる”ことを常に念頭に置きながら、何も知らない子どもに説明するかのように書きます」

ポイントは「言いたいことを端的に表現すること」。「さらに」や「でも」などの接続詞は文章を冗長にするので使わない。「でしょう」や「だと思います」などの語尾も不要。短文でも内容は十分伝わるし、断言したほうが信頼度もアップする。

「ただし、箇条書きにすれば良いというわけではありません。重複する内容や、口頭で説明すればすむ事例はカットして、1スライドにつき100文字以内を目指してください。“1スライドにつき1情報”を鉄則にすれば、文字が多くなりすぎるのを防げます。また、『次はどんな内容なのか』という期待をあおることができ、ストーリー性も生まれます」

強調したい単語やセンテンスを色づけするときは、コーポレートカラーをメインカラーに使い、2番目の色を補色から選ぶ。これだけでも好感度が高まって、センスがいいと評価されやすくなる。

(1)ダラダラ表現を一掃

~開発者が上司に見せる提案書~

(2)説明文は、図や写真に置き換える

~新入社員向け研修資料~

(3)1スライドには1メッセージ

~マーケティング部の調査結果報告書~

(4)箇条書きに頼らない

~プレスリリース~

森重湧太
東京農工大学大学院修了後、スマートキャンプ株式会社に入社。法人向け資料作成代行サービスの事業責任者兼ディレクターとして、のべ200社以上の資料作成を監修する。著書に『プレゼン資料が劇的改善 見やすい資料の一生使えるデザイン入門』(インプレス)。