2017年2月24日を皮切りに、経産省主導で「プレミアムフライデー」がスタートした。毎月末金曜日は、午後3時で仕事終了、残業なしというこの企画。実際に働く人や企業にどれくらいプレミアムフライデーが浸透したのかを調査した。

プレミアムな金曜日はこう使いたい!

2月24日、経済産業省と経団連などが推進する、官民連携肝入りの「プレミアムフライデー」(以下PF)がスタート。個人の消費喚起、余暇充実を目的とするこの企画、4月末時点の実施申請企業・団体数は6532社にまで拡大(プレミアムフライデー事務局データ。4月24日現在)。飲食店や旅行会社では、PFに向けたお得なキャンペーンを展開し、消費アップに期待がかかっている。

そこで、「プレジデント ウーマン」では、実際に、働く人々や企業にどれだけPFが浸透しているか、独自に読者アンケートを実施。結果は、まだ実行していない企業・個人が約9割に上ったが、現場で働く人々の生の声から、主導する政府や経団連の思惑とはかけ離れ、PFキャンペーンの問題点が多々見えてきた。

しかし、本当にPFを実施できるなら何がしたいかという問いには、「家族とゆっくり過ごしたい」が約34%ともっとも多く、「友人や同僚などと外食」「自己研さん/海外旅行など」が続いた。さらに、理想のPFのフリーアンサーから、6つの夢のPFプランをプレジデントウーマン編集部が独自にまとめた。きっといつかのPFに実行できる!

▼1000人調査で見えてきた!

Q1. まだ実施していない企業が85%超え。会社は実施しても自分はできなかった人も約5%。特に2回目(3/31)は、年度末でもあり、業種によっては忙しくてPFどころではないのが実情。

Q2. 今後実施するか不明な企業約60%。消費を迎え入れる側のサービス業では、PFははなから無理。営業部隊も顧客に左右され、さらに製造業などは一斉実施には至れないジレンマが。

Q3. あなたが考えるPFの課題は何ですか?
▼現場だから見える! PFの課題はコレ
・各社独自の実施日の設定、取得方法は個人選択に
・有休扱いや、午後休扱いされる職場はどうする?
・すべての業種で強制実施が必要
・政策と現実の格差がありすぎ
・PFよりも全日ノー残業を推進すべき

Q4. PFを体験していなくても、やはりPFにやりたいことはある。早く帰宅し家族とゆっくり過ごしたい人が多数。なかには、セミナー参加や勉強の時間に充てて自己研さんを積みたいと考える人も。社内懇親会や、街コンの参加を希望する声も上がった。

時間別プレミアムフライデー・プラン

自由選択でどの金曜日にも取得OKなPFなら、こんなことをしてみたい! アンケートの声から見えてきた“夢のPFプラン”をご紹介。

プランA(金曜日15:00~22:00)
いつもの+3時間を、飲んで買って、楽しいひとときに

イラスト=ヤマグチカヨ

(1)ビール片手に野球観戦。ゆったりショッピング
プレイボールから観戦が可能に。また、いつもは時間に追われるショッピングもゆっくり堪能。気の置けない友人や仲間と明るい時間からワインで乾杯も。

<プレジデントウーマン編集部より>
▼提案
・PFはカジュアルデーとして、ジーンズ&スニーカー出社を可能に!
・PF手当支給で、もっと消費行動アップ。
・15:00~のPFハッピーアワーを。
・PF異業種交流会や街コンの実施を。
▼課題
・サービス業には、PFに代わる休暇や時間の還元を。

(2)毎日忙しいからこそ、PFは家で濃密な時間を
残業続きで家族との時間が希薄になりがちならば、PFは早く帰宅し家族と過ごすのもオススメ。独身だって、家飲みはもちろん、自宅でのんびりリフレッシュも可能。

<プレジデントウーマン編集部より>
▼提案
・非正規社員にも、PF分の給与支給を。
・全業種がPFは15:00~18:00で業務終了し、帰宅を。
▼課題
・子どもにもPFがないと家族が揃わない。
・まずは、全企業の週休2日制を徹底。

プランB(金曜日15:00~土曜日、日曜日)
金曜夕方から1泊2日~2泊3日の小旅行が可能に

イラスト=ヤマグチカヨ

(1)ちょっと遠出して温泉旅行にGO!
午後3時に終業して、2~3時間もあれば温泉地に到着。ゆっくりとお湯に浸かって日頃の疲れを癒やしたい。のんびりと宿で食事をし、まったりして過ごすのも格別な時間。一人旅でも女子旅でも、また親孝行にもオススメ。

(2)贅沢に自然と一体化できるグランピング体験
都心のベイエリアをはじめ国内数カ所にある「グランピング」施設で、高級ホテル並みのサービスを受けられる気軽で優雅なキャンプを。ワイワイ楽しめるBBQや、星空の下での語らいでPFを非日常体験デーに。
※グランピング=グラマラスとキャンピングを合わせた造語

(3)都心のホテル滞在でゴージャスなスパを堪能
非日常体験はしたいけれど、遠くに行きたくないなら、都心のラグジュアリーホテルでのスパがオススメ。贅沢なトリートメントの後は、ルームサービスで都会の夜景を眺めながら、ひとり優雅な時間を過ごしてみては?

<プレジデントウーマン編集部より>
▼提案
・PF特別割などで、交通機関も割安に。
・この日は無税に!
▼課題
・一斉実施で、新たな混雑の懸念が。
・PFの開始時間が中途半端。

プランC(金曜日15:00~月曜日)
有休を1日プラスすれば、3泊4日の海外旅行も可能に!

<週末ドバイ旅プラン>
Day1:金曜夜:直行便でGO!
Day2:早朝ドバイ着~観光など
Day3:ドバイ観光など
Day4:早朝便:月曜夕方~夜、日本着

(左)ドバイの魅力はなんといっても目もくらむほどの高層ビルや人工島のマリンリゾートなど、建築の粋を集めた都市景観。異国情緒もたっぷり。(右)ホテル「アトランティス・ザ・パーム」内にある女性に大人気の「ShuiQiスパ」。(写真=ドバイ政府観光・商務局)

▼近場のアジアよりほんの少し足を延ばして、ドバイへ
せっかくのPF。いつもの近場旅ではつまらない。有休をプラスして、もう少し先の中東はいかが? たとえばドバイ。日々ハードワークをこなす女性にとって、そこは楽園そのもの。女一人旅でも安心な治安、ネオンきらめく天に届くほどの高層ビル群、ゴージャス気分を高める高級ビーチなど、異世界への入り口が私たちを待っている。金曜午後からスタートするプレミアムな週末は、非日常体験してこそ最上級のホリデーに変化。これから始まるあなただけのPFをもっと夢見て!