To Doリストをクリアしていく達成感が好きです

「本当にね、七不思議だなと思っています。お芝居がうまい女優さんが大勢いらっしゃるなか、この役を私にと言ってもらえるのですから。今は懸命にお芝居をして、期待以上の爪痕を残すのみ。それが使命と思っています」

吉田 羊(よしだ・よう)/福岡県出身。舞台、映画、ドラマに多数出演。10月よりドラマ「コールドケース」「レディ・ダ・ヴィンチの診断」に主演、11月は映画『ボクの妻と結婚してください。』、舞台『エノケソ一代記』に出演。

最近「ご活躍ですね」と言われるたびに気を引き締め、「浮かれる気持ちにもなれません」と恐縮する吉田羊さん。2016年10月はWOWOWの「コールドケース~真実の扉~」、フジテレビ系の「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」の2作品で連続ドラマ初主演、そして映画『グッドモーニングショー』では中井貴一さん演じる主人公のキャスター・澄田真吾の妻・明美を演じている。個人的に、今回の共演にはとても思い入れがあるという。

「中井さんは俳優の大先輩というだけでなく、私にとって大恩人なんです。ドラマ(NHK連続テレビ小説『瞳』)に出ていた私を中井さんが見つけてくださったことで、多くのオファーをいただくようになりました。ですから今回ご一緒できてとてもうれしかったですね。明美は真吾を突き放しているように見えますが、実は夫の能力と生命力を信じている。その確かな信頼と愛情を伝えられたらと思います」

舞台は、朝のワイドショーの制作現場。立てこもり事件に翻弄(ほんろう)される真吾と、その生中継を自宅で冷静に見守る明美との対比が描かれる。明美は子どもが成長して時間にゆとりができた主婦だが、吉田さん自身の生活は超多忙。スケジュール管理のコツは?

「いやぁ、私、時間管理はあまり得意じゃないんです。忘れっぽいので、オフで出かけるときは携帯電話でToDoリストを作っています。全部クリアできると達成感がありますよね。一日を有意義に過ごせたっていう」

――睡眠時間はどのくらい?

「本来は寝るのが大好きなのですが、今は4時間が最低ラインです。少なめに設定することで、『4時間眠れば大丈夫』と思えるようになって。一種の自己暗示でしょうか(笑)」

「数時間の出来事が極上のエンターテインメントに!と驚きました。テレビ業界の裏を熟知した君塚監督ならではのリアリティーですよね」(映画『グッドモーニングショー』について)
――台本を覚える時間は?

「家で一気に短期決戦です。集中力が足りないので、家事などが気になったら、まずちゃんとやりきってから再開します。小刻みに集中して、積み重ねていくタイプですね」

普段の予定管理では手帳と携帯電話を併用。お気に入りの文具は、伊勢志摩サミットの公式お土産にも選ばれた、あの人気アイテムだ。

「フリクションボールペン、これが出たときは感動しました。筆ペンも好き。字がコンプレックスなのですが、よりキレイに書きたいという思いから、あえて使いこなすのが難しい筆ペンでお手紙を書いたりします」

苦手だからこそトライし、楽しみながら身につけていく。吉田さんが活躍しているたくさんの理由のなかには、どんな役を演じてもしっくりくる表現力、人間的な温かさに加え、こうした前向きな心ばえもあるのだろう。

『グッドモーニングショー』
2016年10月8日(土)より全国東宝系にてロードショー
家族はいさかい、後輩の女子アナに迫られ、立てこもり犯から名指しで呼び出され……。ワイドショー番組のキャスター・澄田真吾の大変な一日を、テレビの番組制作と事件中継の舞台裏から描く。出演は中井貴一、長澤まさみ、志田未来、時任三郎ほか。監督・脚本は「踊る大捜査線」の君塚良一。(写真=2016 フジテレビジョン 東宝)