自分の病気、婚活、妊活から親の介護……。人生の岐路に立ったときに、どの道を選び、どの道を断つべきか。答えは一つではないけれど、決断のためのヒントがここにあります。(Q1、Q2回答者:脚本家・渡辺千穂さん、Q3、Q4、Q5回答者:衆議院議員・野田聖子さん)
Q1. 40代からの結婚で幸せになる方法
A 結婚一つでは幸せになれません
自分が幸せでいれば、結婚しても良い方向に進むと思います。相手さえ間違わなければ(笑)。自分を好きになってくれる人・くれそうな人を見逃さないことも大事。そういう人の中から相手を選ぶのが一番だと思いますから。あとは、40代をどう迎えるかにもよるかな。目標を持ってそれを達成してきた人と、なんとなく仕事はしてきたけど、いろんなことがまだ不安な人とでは違ってくると思います。
40代からの結婚で良いのは、みんな一度は失敗を経験していること。バツイチだったり、長く付き合っていた人と別れていたり。いろんな経験をしているので、昔ならカッとなっていたことでも「まあまあ」と思えるところも幸せに近づける要素でしょうか。
出産とキャリアの両立は、職場や仕事にもよりますが、理解してくれる人がいて、求められる能力があれば、そんなに焦ることはない。私は2016年1月に出産したばかりで秋から放送の朝ドラの仕事が控えていますが、妊娠したときプロデューサーや監督が「協力してやっていきましょう!」と言ってくださったことに感謝しています。
Q2. ネット婚活でいい男は見つかるの?
A SNSでつながる婚活は「あり」だと思います!
私自身は、婚活サイトって、登録している方の身元やプロフィールが本当かどうかわからない部分もあるので、やっぱり怖いなと思ってしまうんです。本人確認書類や収入証明を提出させるきちんとしたサイトでも、収入があっても変わった人はいっぱいいるし(笑)。
でも、フェイスブックのようなSNSでつながっている“友達の友達”みたいな出会い方なら、チャンスが広がるんじゃないでしょうか。やはり「人となり」がわかると安心。その意味では、共通の知人がいるというのがすごく大事だと思います。
まわりにも、インターネットを通して良い出会いに恵まれたという人がいます。海外旅行に行ったとき、現地に住んでいる友達の友達をフェイスブックで見つけて、案内してもらったことをきっかけに結婚した人や、オンラインゲームでいつも対戦していた相手と仲良くなったという人もいました。決して出会いが目的ではないんだけど、オフ会などをきっかけに盛り上がったりするのだと思います。やっぱりこの時代ですから、SNSを使わない手はないですね。
Q3. 結局、いつまで産めるの?
A 経験値で言うと、50歳まで産めます。でも、お薦めはしません
私は卵子提供を受けて50歳で出産しました。女の体って不思議で、卵子は老化しても、子宮は意外と丈夫。閉経後でも子宮が良い状態であれば産める医療技術があります。ただ、お薦めはしません。高齢育児で私が一番苦労してるのは体力面ですから。
不妊治療を受けていた頃、お医者さまたちが言っていたのは、母子ともに低リスクで産める確率が高いのは18~26歳。私もその時期に産めていたら……とは思います。最近は、確率の低さと経済的な負担に配慮して、42歳ぐらいで不妊治療を終了する病院も。自然妊娠で出産するならば、そのあたりが目安になるでしょうか。
高齢でも子どもを授かることができる医療は進歩しています。でも、私はむしろ、働き方を変えてあげて、20代、30代の女性が妊娠も仕事もできる環境を整備するほうが大事だと思っています。
Q4. 独身で生き抜くために今やるべきこと
A 毒を吐ける友達と、仕事を忘れられる時間を持つこと
それ、2回も結婚した人に聞きます?(笑)。若い頃、まわりからは「政治と結婚しろ」と言われましたが、考えたこともない……。あ、でも一生住める家を確保しておこうと、独身だった38歳のときに分譲マンションを買いました。ひとりだと仕事中心になりがち。思いきり毒が吐けて、何かあったときに合鍵を渡せる友達が数人と、一瞬にして仕事を忘れてしまえるような時間が持てると楽です。
Q5. 養子縁組で子どもを持つという選択肢はアリ?
A 生殖医療の次のステップ。うまくいけば今国会に法案を提出します
日本で行われている養子縁組は任意団体によるもので、たとえば、団体のルールによっては共働き夫婦やシングルはダメなどの制約を受けます。明確なルールが今はないので、うまくいけば今国会で養子縁組あっせんの法案を提出し、速やかに施行できるようにしたいと考えています。
不妊治療から養子縁組に切り替えるまでの選択肢のなかに、卵子提供や精子提供があってもいいと思います。私が卵子提供で出産してよかったのは、遺伝子はつながっていないけれど、へその緒で数カ月間子どもを「育てた」という母親としての自負が生まれることです。国会議員はよく「国民のため」と言うけれど、今のことしか考えていない人も多い。でも、子どもが生まれたことで、この子が20歳になったときの世の中を考えて、中長期的視点で仕事ができるようになりました。
脚本家。2002年ドラマ「天体観測」でデビュー。「ファーストクラス」や「赤い糸」など話題作を手がける。映画『植物図鑑』(6月4日公開)、2016年10月開始のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」が控える。
衆議院議員。1987年岐阜県議会議員選挙で当選。93年衆議院議員総選挙に初当選して以降、連続8期当選。郵政大臣、内閣府特命担当大臣(科学技術政策・食品安全)、消費者行政推進担当大臣、宇宙開発担当大臣、自由民主党総務会長などを歴任し、衆議院災害対策特別委員長。