朝、時間がないからとノーメイクで出かけるのはマナー違反! ましてや電車やバスでメイクをするなんて言語道断。外出前の数分間、そして会社で自在に仕上げる時短テクを、ヘア&メイクアップアーティストの山本浩未さんが教えます!
忙しい朝だからこそ、仕上げないメイクがオススメ
朝のメイク、あなたはどれくらい時間をかけていますか? 私は時間に余裕がないときは5分で終わらせてしまいます。正確に言うと、途中で終わらせちゃうんです。時間のない中でちゃんと仕上げようとすると、プロの私でもイマイチな顔になる。だから半分仕上げてから出かけ、出先で少しずつ完成させる。これを私は「5割メイク」と名付けています。
ちなみに5割メイクの良いところは、後から足すことで、自分がイメージしたメイクにできること。例えるなら、シンプルなワンピース。これを5割メイクだとしたら、アクセサリーやジャケットなどのアイテムを足して、その場に最適な装いへと変化させる。このほうがムダがなく、しかもTPOに合ったメイクを楽しむことができます。
そしてこのメイクを成功させるコツは、「白・赤・黒」の3色で構成すること。「白」は肌、「黒」は眉やまつ毛、「赤」は頬や唇。顔の中にこの3色がちゃんと効いていると、多少手を抜いたメイクでも明るくイキイキした顔に見せることができます。そして、もう一つ重要なのが、アイテム選び。毎日使うものなので、使い勝手が良く、道具にもこだわったコスメをチョイスして。この法則さえ頭に入れておけば、朝のメイクは通常の半分以下の時間に抑えられますよ!
5割でもキレイに仕上がるオススメアイテムはコレ!
●白
白は清潔感と明るさを強調させるため、肌に最も与えるべきカラー。カバー力があり、下地効果も高いBBクリームなどを上手に使って白のパーツを入手しましょう。
●赤
血色感の象徴でもある赤は、頬やリップに与えて若々しさを。とくに30代以上の女性は顔に赤みがないと疲れた顔に。アイメイクよりもココに力を入れるのが無難です。
●黒
ぼやけた印象の目元は、アイシャドウよりも眉毛やまつ毛でアピールしたほうがハッキリとした顔立ちに。時間のない朝でも、マスカラを使えば、あっという間にキリリ顔!
時短のコツは5割だけメイクして終了
5割メイクを成功させるコツは、白・赤・黒のパーツを均等に整えること。中でも白=肌は、優れたアイテムを使えば数分で仕上げることが可能。朝のメイクを短縮させたい女性、必見!
【Before】年相応のくすみ肌で、血色も悪く、各パーツもぼんやりしがち。健康的な肌色と、働く女性として最低限の華やかさを持たせたいところ。
【1】頬、額、鼻、まぶた、アゴにBBクリームを点で置く
BBクリームを適量手に取ったら、指の腹を使ってスタンプを押すように顔全体にのせます。この置き方だと、塗り広げるときに点と点を結ぶだけなので、通常より時短に!
【2】点をつなぐように指全体を使ってスーッとのばす
フェイスクリームをのばすように、指の全体を使って内から外に向かってBBクリームを広げます。小鼻の脇や目尻など、細かい部分は指の腹を使って整えればOK。
【3】フェイスパウダーをブラシで下から上、内から外へ
フェイスパウダーはブラシでのせたほうがキメが細かく、ナチュラルに仕上がります。ブラシにたっぷりパウダーを含ませてから、顔表面をなでるようにブラシをすべらせて。
【赤&黒のメイクプロセス】ひと筆でササッと色を足して
チークやリップの赤、眉やまつ毛の黒は、ひと塗りで手早く済ませましょう。ベースがシンプルなので、軽く色をのせるだけでも十分華やかな印象になります。
【After】白・赤・黒の効果で5割メイクでもメリハリ顔に!
ランチミーティングにはソフトなフェミニンメイク
女性らしさを演出させる場合、赤を主役にしたメイクが最も効果的。ただし、赤は膨張色なので、黒のパーツを1カ所強調させるとバランスよくまとまります。また、ランチの際には唇に強い色をのせるのはNG。食事中にリップが落ちたとき、最初の印象と変わってしまい、せっかくのメイクが台なしに。リップライナーで、輪郭をしっかり描いたソフトピンクの口元がオススメです。
【Before】5割メイクからスタート!
【1】シアーなチークで血色感の赤みをプラス
頬の高い位置に丸く大きくイン。ニュアンスチークなので、重ねづけしても強く発色することなく、肌色アップ&透明感のある仕上がりに。
【2】黒目の幅だけマスカラを塗り足して
黒目の幅の部分のまつ毛にマスカラを重ねづけ。すると、目力がぐんとアップ。まつ毛の根元にブラシを当てて、真上にグンと引き上げて。
【3】唇の輪郭をライナーでくっきりと縁取る
リップライナーで輪郭を描いたら、内側をぼかしてからリップを重ねて。食事でリップが落ちてもラインが残っているときちんと感が出せます。
【After】相手の印象に残るフワッとにじみ出る血色感
大事な商談やプレゼンなら、黒を効かせて、キリッと知的に
黒を効かせたメイクは、相手の記憶に最も残りやすいもの。ただし、黒は入れすぎると強さばかりが目立ってしまうので、白を隠し味にするのがポイント。目の下の影になりやすい部分にハイライトを入れるだけで、女らしさの引き立つ華やぎ顔に。黒と白のコントラストがはっきりしているので、口元のリップは多少強めのカラーにしても違和感はありません。
【Before】5割メイクからスタート!
【1】目の下にハイライトを入れて肌色&目力アップ
目頭からハイライトを入れたら、指の腹でたたきながら肌になじませて。ベース直しよりも、このほうが肌色がキレイに見え、目力もアップ。
【2】パウダーブロウで眉頭をくっきりと際立たせる
眉頭を近づけると、顔全体がキリリと引き締まった印象になります。ブラシを使い、眉頭にパウダーをのせてから、眉全体を整えます。
【3】引き締め効果抜群の黒のアイラインを目のキワに
目元にインパクトを与えるなら、ライナーはリキッドタイプがベスト。まぶたを指で持ち上げ、目のキワにラインを。目尻は少し長めに描いて。
【After】芯の強さを感じさせるほんのり辛口なコントラストメイク
※掲載した商品の価格は、すべて税抜き表示です。
ヘア&メイクアップアーティスト。資生堂ビューティークリエーション研究所を経て独立。すぐに実践できてキレイになれるメイクテクニックは、年代を問わず多くの女性から支持を得ている。『美人メイク基本の「き」』(宝島社)など、著書多数。キレイの悩みに答える美容ツイッターも人気。http://twitter.com/steam_5