「電車の中ではいつもスマホを触っている」という人、多いですよね。満員電車などでは、思いがけず隣の人のスマホ画面を見てギョッとした、なんていう話も……。今回はPRESIDENT WOMAN読者の働く女性300人を対象に、電車の中でうっかり見えてしまった他人のスマホ画面や、どんな風にスマホを使っているかについてアンケート調査を行いました。あなたのスマホの使い方は、大丈夫でしょうか……?!

車内でつい見てしまった、衝撃のスマホ画面

混んでいる電車のなかで、見る気はないのに他人のスマホ画面を見てギョッとした……どんな内容を見てしまったのか、アンケートからご紹介します。

【Case.1】そのLINEやメール、結構見えてます!

「LINEで、『今日はありがとう、楽しかった!』『大好きだよ』などのやり取りをしていたかと思えば、その直後に奥さんらしき人と『これから帰る』的なやり取りをし始めたんです」(40代前半/卸・流通・小売)

「出張で移動中、男性上司が不倫相手宛てに『行ってきます』というメールを打っていた。そっと目を逸らしました……」(40代前半/サービス)

「スーツを着たまじめそうな男性が、母親と思われる相手と甘えたLINEのやりとりをしているのを、見てしまいました」(30代前半/IT・通信)

「目の前にいた芸能人だと思われる男子高校生が、女性アイドルとLINEのやり取りをしていました。表示されている名前に見覚えがあったので、驚きました」(30代後半/教育)

「LINEで誰かの悪口を相当長い文章で書いていて、正直怖かったです」(20代前半/製造業)

プライベートなコミュニケーション手段といえば、昔はメール、今LINE。最も回答が多かったのが「LINEなどプライベートなやりとりを見てしまった」というもの。中でも特に多かったのが「おとなしそうな人/真面目そうな人が、ラブラブなメッセージを送っていて見た目とのギャップに驚いた」という回答。画面だけでなく本人の様子まで、結構見られているんですね……。

個人的なやりとりなら本人が恥ずかしい思いをするだけで済むと言いたいところですが、相手の情報も見えていることをお忘れなく! また、内容によっては「恥ずかしい」で済まないこともあります。不倫相手との会話や誰かの悪口など、人間性が垣間見えるやりとりで、知らず知らずのうちに周囲からの評価を下げている可能性も。

【Case.2】電車の中でアダルトコンテンツはやめて!

電車の中でアダルトコンテンツをこっそり視聴。周りからは結構見えてますよ……!

「年配の男性が、満員電車にも関わらず、イヤホンをしながらアダルトビデオを堂々と見ていました」(30代前半/その他サービス)

「スーツを着た爽やかなサラリーマンのスマホ画面が見えてしまったときに、全裸の女性の画像でビックリしたことがあります」(30代前半/建築・不動産)

フリー回答の中で2番目に多かったのが「アダルトビデオやアダルトサイトを見ている男性にギョッとした」というもの。特に「夜、窓ガラスに反射して中身が丸見えだった」という声は多かったです。気付いていないのは本人ばかりなり。公共の場だということを、もう少し意識してほしいですね。

【Case.3】仕事ができそうな人のケータイゲームに幻滅

「それなりの役職に就いていそうな、キレイなお姉さんが電車でゲームをしていて『え、こんな人もゲームするの?』と少しビックリしました」(30代前半/製造業)

「ビシッとしたビジネススタイルの男性が、真っ昼間の電車内でゲームに躍起になっているところを見てしまい、なんだかがっかりしました」(40代前半/その他サービス)

意外と多かったのが「ゲームに夢中になる姿に幻滅した」という意見。学生や子供がゲームをしていても驚きませんが、確かに、いかにも仕事がデキそうな人や、身なりもピシッとした素敵な人が一心不乱にゲームをする姿は、あまり見たくないかもしれません。

【Case.4】SNSアカウントなどの個人ページが丸見え

「電車の中でSNSやショッピングサイトなどにログインするときは気をつけてほしい。こちらはジロジロ見る気がなくても、IDもパスワードも、何を入力しているか丸分かりな人をときどき見かけます」(40代前半/出版)

「SNSに、深刻な病気の内容を書いているのを見てしまった」(30代前半/医療・福祉)

「女性が電車内で婚活アプリを使っていました。自分も利用しているアプリだったのですが、他の人が必死に男性の品定めをしている様子を見てから、なんだか使う気を失くしてしまいました」(20代後半/その他サービス)

移動中などのすきま時間にSNSを利用する人は多いですが、個人を特定できるSNSアカウントを知られてしまうのはちょっと怖いですよね。SNSなどの個人ページ、ましてやログイン画面(ログインID、パスワード)などは、ダイレクトに個人情報にアクセスできてしまう可能性があるため、特に注意が必要です。

Case1からCase4まで、すべてどれも身近に起こりそうなことばかり。電車内では常に「誰かに見られている」と意識し、見られたら困ることは控えましょう!

のぞき見防止シートを貼っていない人は8割以上

このように、電車内で他人のスマホ画面を見てしまうと、つい「この人のセキュリティ意識、大丈夫かな?」と思ってしまいます。他の人の画面がこれだけ見えているということは、あなたのスマホ画面も誰かに見られている可能性は高い、ということ。他人事ではありませんよ! まずは以下のグラフをご覧ください。

Q:他人からスマホを見られないようにのぞき見防止シートを貼っていますか?

働く女性に「他人からスマホを見られないようにのぞき見防止シートを貼っていますか?」と、アンケートしたところ、85.7%もの人が未着用であることがわかりました。理由として多かったのは「必要を感じないから」。他には、

「自分が見づらくなったり、操作性が悪くなったりするのが嫌なので」(30代前半/IT・通信)

「スマホ購入時に画面割れ防止の保護シートを貼ってもらったので、さらにのぞき見防止シートを貼るとタッチの感度が悪くなりそうだから」(30代後半/税理士)

などの意見がありました。中には「他人に覗き込まれる可能性のある場面では、できるだけスマホを使わないようにしています」(20代後半/IT・通信)と、そもそも公共の場で使わないようにしている人も。

しかし、やはり自力でのぞき見を完璧に防ぐのは難しいもの。ここまでご紹介したように、電車内などの公共の場では、自分が思っている以上にスマホ画面は見られていると覚えておきましょう。

個人のスマホを仕事にも使っている人は約4割

PRESIDENT WOMANの読者はスマホをどのような用途で使っているのかについても、アンケートで聞いてみました。

スマホをどのような用途で使っていますか?
 

最も多いのはSNSなどコミュニケーションのために使うという人で87.8%。次いで情報検索や情報収集(86.4%)、目覚ましなどの時計機能(79.2%)と続き、ネットショッピングやオークションなどを利用する人が70.6%いました。注目したいのは、個人用のスマホを仕事にも使用している人が40.9%もいること。4割近くは、個人用のスマホを業務の連絡などにも使っていることが分かります。

プライベートな情報がギッシリ、さらに人によっては仕事の情報も入っているという、大事な情報の塊とも言えるのが個人利用のスマホです。しかしその半面、スマホはパソコンに比べてセキュリティに対する意識が甘くなりがち。スマホにセキュリティアプリを入れているかどうか尋ねた結果が次のグラフです。

Q:スマホに何かしらのセキュリティアプリを入れていますか?

「スマホに何かしらのセキュリティアプリを入れていますか?」という質問に対し、「いいえ」と答えた人は52.3%。半数以上の人は、スマホのセキュリティ対策を取っていない、と答えました。

セキュリティアプリは、ウイルス対策のものだけではありません。たとえば、スマホを紛失してしまったときに情報を遠隔操作で削除してくれるもの、偽サイトや悪質なアプリなどを検知してくれるもの、オンライン取引用のワインタイムパスワードなど、身近なリスクに備えるアプリは数多くあります。

多くの人が複数のSNSやネットサービスで同じIDとパスワードを使い回す傾向にあり、一つの情報が盗み見られてしまうだけでも、危険度は一気に上昇します。

このことからも公共の場では、ログイン情報を入力するような場面は避けることがポイントです。ただし、どうしてもログインが必要な場合は、必ず周囲から見られないようにし、さらに、のぞき見防止シートを貼るなどの対策がオススメです。

スキのない女になるために、スマホセキュリティのポイントは?

スマホを使うときは気をつけましょう……といっても、具体的に何に気をつけたらいいのか難しいですよね。また、緊急の連絡が必要で周囲を気にしていられなかったり、スマホをうっかりタクシーや電車に置き忘れたりすることもあります。スマホセキュリティのポイントを、セキュリティの専門家に聞きました。

「電車の中という公共の場では、見られては困るものは見ないようにしましょう。むしろ、見られているものだと意識を変えた方が良いでしょう。また、見られないようにすることも大事ですが、誰かが見ようとした時のための対策を立てておくことももっと大事です。万が一スキを見せてしまった時のために、守ってくれるツール(セキュリティアプリや、のぞき見防止シート)を活用してください」(カスペルスキー・製品本部 プロダクトマネージャー 保科貴大さん)

「私は大丈夫」――ほとんどの人はそう思っていますが、しかし現実として、情報漏えい事件やサイバー犯罪は日々起きています。「人の振り見て我が振り直せ」、みなさんもこの機会に、スマホセキュリティ対策に“スキのない女”を目指してみてはいかがでしょう? PRESIDENT WOMANとカスペルスキーでは、インターネットの安心・安全な使い方についてのコラムを掲載しています(http://woman.president.jp/articles/-/558)。もっと詳しく知りたい方は、そちらもぜひ見てください。