保険の選び方に正解はないし、ライフステージが変われば見直しも必要。でも、入りすぎや、逆に足りないなんてことは避けたい。FPの畠中雅子さんプロデュース、“ちょうどいい”6人のモデルケースをご参考に!
▼【前編】シングル、子供のいない夫婦の選び方はこちら
http://woman.president.jp/articles/-/1508
CASE4:子供をもたない夫婦
リーダー気質で社員からも慕われる社長。外食や飲酒の頻度が高いが、アラフォーとなり周囲に大病する人も増えたせいで、健康面に不安を感じる。会社の節税対策にも頭を悩ませている。
●自分で会社を経営するなら、逓増定期保険に入ろう
夫婦ともに高収入なので、生命保険に入る必要性は低い。
「病気を心配しているので、夫婦とも医療保険に加えてがん保険に加入するのも手かもしれません。がん保険は対象をがんに絞っている分、類似している商品の3大疾病保険などに比べて保険料が安いのが特徴です」
がん保険はさまざま。保障内容も千差万別。回数無制限で保障される、広範囲の抗がん剤治療をカバーしているなど、充実した内容の商品を選びたい。
「佳代さんは会社を経営しているので、保険で節税も考えては。まず、生命保険などの一部の保険には“生命保険料控除”があるので、年末調整で申告して、税金を安くするのに使えます。生命保険の一種で、契約後、期間満了までに保険金額が増加する逓増(ていぞう)定期保険というものもあり、これはご自身や従業員の退職金準備などに使え、なおかつ節税にもつながります」
●Nice plan
月額:1万7096円
◎医療保険(入院保険)
月額保険料:5401円
保障期間:終身
払込期間:60歳
入院日額:1万円
入院時手術:10万円
先進医療保障付き
◎がん保険
月額保険料:3167円
保障期間:終身
払込期間:60歳
がん診断時:50万円
放射線・抗がん剤治療時:月10万円
がん先進医療保障付き
◎逓増定期保険(会社で加入)
<夫>
◎医療保険(入院保険)
月額保険料:5103円(条件は妻と同じ)
◎がん保険
月額保険料:3425円(条件は妻と同じ)
●Pick up
「生命保険料控除」
一定額の保険料は所得金額から差し引いてもらえるので、その分税金が安くなる。貯蓄型保険などを使って上限いっぱいまで保険に入ると、高所得者ほど節税に。
●Check!
「終身ガン治療保険プレミアム」(チューリッヒ生命)
放射線治療などを受けた場合、回数無制限で保障される。保険によっては、保障でカバーされる抗がん剤の種類がかなり限定されているものもあるが、この保険は幅が広く、安心して治療が受けられる。
CASE5:子供がいる夫婦
教員の仕事は充実しているがストレスもあり、休日にわが子と過ごすのが息抜き。将来的には子どもたちの私立中学受験も視野に入れており、もっとお金を貯めたいと思っている。
●子だくさんなら、学資保険の選び方がカギ
一般に、子ども1人を大学まで出すには、1000万円ほどかかるといわれる。もちろん、そのほかに生活費もかかるので、夫婦のどちらかでも亡くなれば、遺族の痛手は計り知れない。
「子どもが多い共働き夫婦は、医療保険に加え、夫婦とも生命保険を用意すべきです。今は、逓減(ていげん)定期保険のように少しずつ保険金が減少する保険が人気で、保険料も安いといわれます。ただ、子どもが多いと保険金が減るのは心配ですから、少し保険料を上乗せして、保険金が減らない定期保険に入るのがおすすめ。上乗せといっても、掛け捨て型ならそれほど高くなりません」
また、教育費を準備するには学資保険が便利だ。以前は子どもが18歳になるまで保険料を支払い続けるものが大半だったが、最近は子どもが15歳になるまでに払い終えられるものなどもあり、商品が多様化している。自分に合ったものを探してみよう。
●Nice plan
月額:7969円
◎医療保険(入院保険)
月額保険料:1787円
保障期間:終身
払込期間:終身
入院日額:5000円
入院時手術:10万円
先進医療保障付き
◎生命保険(定期保険)
月額保険料:1300円
保障期間:10年
死亡保障:1000万円
<夫>
◎医療保険(入院保険)
月額保険料:1922円(条件は妻と同じ)
◎生命保険(定期保険)
月額保険料:2960円
保障期間:10年
死亡保障:2000万円
◎学資保険
月額保険料:約3万円(1人につき約1万円ずつ)
払込期間:15歳になるまで
※月額には、学資保険分を含んでいません。
●Pick up
「学資保険」
子どもの大学進学などのタイミングまでに、月々の積み立てなどでお金を準備するための保険。契約から一定期間を経過した後、契約者である親が死亡、あるいは高度障害を負った場合、以後の保険料は免除になる。教育費の準備に目的を絞った貯蓄型の商品に加え、子どもの医療保障などの機能を併せ持つ保障型の学資保険もある。
●Check!
「明治安田生命つみたて学資」(明治安田生命)
貯蓄型の学資保険の代表格。保険料に対し、受け取れる金額が高くなるのが特徴(設定にもよるが、払い込み保険料より14~20%増となることも)。保険料払い込み期間は最長でも子どもが15歳になるまで。保険金は、子どもが18歳になってから4回に分割して支払われる。
CASE6:シングルマザー
離婚したばかり。以前は夫のみ生命保険に加入していたので、新たな保険の必要性を感じている。食べることが好き。子どもと一緒に食卓を囲むのが楽しみ。
●シングルマザーは、収入保障保険でひとまず安心
「紗江子さんのように、シングルで子育て中の人も多いはず。お子さんには紗江子さんだけが経済的な支えなので、“実家がお金持ち”などの場合を除き、必ず生命保険には入りましょう」
紗江子さんに万一のことがあれば、子どもは年金暮らしの親か、あるいは別れた夫に引き取られる可能性も高い。だが、元の夫が再婚していたら、新しい家族に負担をかけないためにも、持参金がたくさん必要になる。年金で生計を支える実家に預ける場合も同じだ。
「そのために、生命保険の一種で、死後は毎月収入のような形でお金がもらえる収入保障保険に入っておくとベター。掛け捨ての定期保険で、60歳くらいまでに満期を迎える設定にしておけば、保険料はそれほど高くなりません。加えて、学資保険に入り、さらに児童手当にも手を付けなければ、ある程度の蓄えを子どもに用意してあげられますよ」
●Nice plan
月額:6373円
◎医療保険(入院保険)
月額保険料:3343円
保障期間:終身
払込期間:60歳
入院日額:5000円
入院時手術:5万円
◎生命保険(収入保障保険)
月額保険料:3030円
保障期間:60歳
払込期間:60歳
保険金月額:15万円(年金支払保証期間5年)
◎学資保険
月額保険料:約2万円(1人につき約1万円ずつ)
※月額には、学資保険分を含んでいません。
●Pick up
「児童手当」
中学校卒業の年度末(中学3年の3月)まで支給される。生まれた直後から最後まで手をつけずに貯めると総額200万円ほどになる。多額の出費が予想される大学進学時までとっておくのがベター。
●Check!
「アクサダイレクトの収入保障2」(アクサダイレクト生命)
年金の支払い保証期間は2年と5年から選択可能。加入時点の死亡保障額は約3400万円、5年後は2700万円になる。
※各保険料は全ケースについて現時点の年齢で加入した場合で算出。年齢や年収、家族構成などの設定を基に、一般的な保険を選択した場合の目安です。