取引先の担当者に好かれてしまったらしい……こちらにその気がない場合、対応が難しい所です。どう断るのがいいか、働く女性に聞きました。

利害関係のある取引先の担当者に好かれてしまい、アタックされる……ときどきある話ですが、当事者は対応に困りますよね。やんわり断っても気付いてくれない、かといって冷たく断るとその後の打ち合わせや仕事で気まずくなりそう。しかし応じる気にはとてもなれないし……。そんなとき、果たしてどうやって切り抜ければいいのでしょうか? 働く女性たちに聞いてみました。

Case.1 恋人や好きな人がいることを匂わせる

「左手の薬指に指輪をはめるようにします。相手が気づきやすいように、できる限りアピールもします。察しの良い男性ならここで諦めてくれます」(32歳/アパレル)

「好きな人がいることをそれとなく匂わせておきます。本当は好きな人がいなくても、いるように見せかけますね。週末はその人とドライブデートの予定だとか、好きな人からちょっとしたものをもらったとか。雑談でそういう話を交えて、壁を作る」(31歳/金融)

気になる女性に彼氏がいるとなれば、よほど図々しい人でない限り、ちょっかいは出せないはず。しかし好きな人がいるくらいではめげないどころか、彼氏がいると聞いてさらにやる気を出してしまう人もいるのが難しいところです。

Case.2 相手とまったく違うタイプの芸能人が好みだと言う

「男性に『あなたはタイプじゃない』と分かってもらうために、まったく違うタイプの芸能人が好きだといい、ファンのように振る舞います。アタックしてきた男性が中年男性ならかわいい雰囲気の若手俳優を、年下の男性なら渋いおじさま系俳優を理想のタイプに見立てますね」(27歳/商社)

相手がセルフイメージを真逆に勘違いしている人だったら頭が痛いですが、勘のいい人なら察してくれるでしょう。

Case.3 相手を軽く幻滅させる

「相手が喫煙者を嫌う人だったら、タバコを持ち歩いて『最近やめてるんですけど、なかなか完全禁煙はできないです』と言ってみるとか、家庭的な女性を好きな人だったら『女子力低くて、料理が大嫌いなんですよね~』と言ってみるとか。この手でけん制したことが何回かありますが、やりすぎると仕事に支障が出るので、ほどほどに」(29歳/メーカー)

このほか、大人しいタイプの女性なら「実はビジュアル系バンドが大好き」と言ってみるなど、ビジネス上の自分のイメージからは連想できないことを言ってみるのも手。「そんな人だとは思わなかった……」と“引いて”くれるかもしれません。

Case.4 誘いは誰かを巻き込む

「強引に食事に誘われたときは『それなら打ち合わせも兼ねて◯◯さんもお呼びしましょう』とか『うちの部長が○○さんに興味があるようで。食事ならぜひ部長も一緒にさせてください』など、2人きりでは行かないというアピールをしておきます。巻き込む人物は相手が嫌がりそうな人物がいいですね。上司や男性だと効果的だと思います」(35歳/飲食)

2人きりで食事がしたいのに、女性はそれを避けてくる。さらに苦手な人がくるとなれば、食事をする気も失せてしまうでしょう。「その人には来てほしくない」とも言いづらいもの。遠回しに2人きりになることを避けられれば、相手もその意味を理解すると思います。

Case.5 上司や同僚に話して、味方になってもらう

「仕事がやりづらくなる前に、味方になってくれそうな上司や同僚に、アタックされて困っていることを話しておきます。協力してもらえれば取引先の人と二人きりになる機会が減るかもしれないし、相手の露骨なアピールには上司が助け舟をだしてくれるかもしれないので」(29歳/IT)

あまりにしつこくアタックされると、のちのち仕事に影響がでてしまうことも。そうなる前に周囲を味方に付けておくのも良さそうです。しかし、話す相手を間違えると「いいじゃん、付き合っちゃいなよ!」とけしかけられたり、周りに言いふらされたりしてしまうので、相手選びは慎重に。

取引先とはできるだけトラブルを起こしたくないもの。相手の機嫌を損ねたり関係がギクシャクしたりしてしまったら、仕事もやりづらくなってしまいます。相手のアタックはうまく切り抜けて、気持よく仕事をこなせるようにしたいですね。あなたなら、どんな方法で切り抜けますか?

神之れい(かみの・れい)
兵庫県神戸市在住のライター。1984年11月5日生まれ。ライターとは無関係の短大へ進学、一般企業で5年ほど勤めた後にライターへ転身。女性向けウェブ媒体で恋愛コラムを中心に執筆中。