ありのままの自分を愛してくれる男性と出会うには、どうすればいい?  全世界で5000万部を超えるパートナーシップ本の名著、『ベスト・パートナーになるために』を記したジョン・グレイ博士推奨の方法とは。聞き手にPRESIDENT WOMAN Online連載「人生曼荼羅」でおなじみの作家・本田健さんを迎え、男女の心理に迫ります。

「男性と張り合わない」がパートナー探しの近道

【本田健さん(以下、本田)】全世界で発行部数5000万部を突破した『ベスト・パートナーになるために』の副題には、「男は火星から、女は金星からやってきた」とあります。著者であるジョンが、この「男は火星人、女は金星人」という言葉で表しているのは、男性と女性はまったく違う感じ方、考え方、行動をするということだと思います。そこで、パートナーの探し方について、男性と女性ではどのように違うのかを教えてください。

【ジョン・グレイ博士(以下、グレイ)】いい質問ですね。男性と女性の違いはさまざまなところで見られますが、それはもちろん、パートナーの探し方にも当てはまります。

ジョン・グレイ博士。世界的な心理学者で、全世界で発行部数5000万部を超える『ベスト・パートナーになるために』の著者であり、コミュニケーション心理学の第一人者。人間の心理の本質に、最も精通した人物として知られる。表面的な感謝ではなく、人間の本質そのものに感謝できるようになる“究極の感謝”の体現者として、パートナーシップにおける最高のコミュニケーションを、世界中に伝え続けている。

男性は、外見、それもセクシャルな魅力からパートナーを探す傾向にあります。一方で、女性は最初から丸ごと自分を愛してくれる人を探す傾向にあります。どちらも、愛や親密感を得ようとしているのですが、男性は肉体的な形で、女性は感情的な形で、それを早々にかなえようとするのです。ですが、どちらも現実的ではありません。

【本田】男性と女性には大きな隔たりがあるのですね。この隔たりはどうすれば埋めることができるのでしょうか?

【グレイ】まず、女性は自分の女としての魅力をきちんとアピールすることです。パートナーが見つからないと嘆く女性の多くは、自分に魅力がないと思い込んでいることです。ですが、その自分には魅力がないという思い込みそのものが、男性から魅力的に見られることへの障害となっていることに気が付いていないのです。男性にとっては、女性の外見は、全てではありませんがとても大きな要素です。髪型、メイク、洋服など、自分の魅力をちゃんと表現することが大切です。

【本田】そうだと思います。美人の方も魅力的ですが、自分を磨いている人はとても素敵な輝きを放っているような気がします。では、女性はどうしたら輝きを放てるようになるのでしょうか?

【グレイ】彼女たちにお勧めしたいのは、男性と張り合うことをやめることです。男性は、女性にいいところを見せたいと思っています。例えば、男性が間違っていても、多少は目をつぶってあげましょう。結婚すれば、いくらでも間違いを指摘する機会はあります。

【本田】私は以前、メンターから「勝気な女は運を逃がす」という言葉を教わったことがありますが、まさにその通りだったわけですね。いい人と出会えないと悩んでいる女性には、自分の正しさを主張して出会いのチャンスを逃すより、価値を上手に譲って素敵なパートナーをつかんでほしいと思います。

男性は「君は特別だ」と言い続けるべし

【本田】それでは、逆に、男性はどうやって女性にアプローチしたらいいのでしょうか?

【グレイ】まず、すべての男性が理解する必要があるのは、肉体的な引力だけでは、長期的な関係は築けないということです。男性は、すぐにセックスを求めてしまいがちですが、そこに感情的な結び付きがなければ、すぐに目の前の女性から魅力を感じられなくなります。そして、新たに自分を引きつける女性を探し、一瞬手に入れたように思ってもすぐに失う、というサイクルを延々と繰り返すことになるのです。

『ベスト・パートナーになるために』(ジョン・グレイ著、三笠書房)。「男は火星から、女は金星からやってきた」という副題の通り、男女には、まったく異なる星で生まれ育ったほどの違いがあることを前提に、どうすればお互いを理解し合えるか、をまとめた世界的なベスト&ロングセラー。心理学に基づく男女の様々な違い、この違いを乗り越えパートナーシップを築いていくコミュニケーション方法、パートナーシップが自分自身を映し出すこと、パートナーシップのサイクル、など幸せな男女関係を築くための様々な秘訣が書かれている。

【本田】特に若い男性は、このサイクルに陥りがちかもしれません。このことを理解した上で、男性はどうしたらいいでしょうか?

【グレイ】「君は僕にとって特別なんだ」と伝わるカタチで、女性に声を掛けることです。たとえ最初は相手に何も感じてなかったとしても、自分に関心を持ってくれたことで相手に興味が湧き始めることがよくあるからです。でもパートナーシップに縁がない多くの男性は、誰彼なく声を掛けて「君は特別だ」というメッセージを伝え損ねるか、逆に全く声を掛けることができず興味を持ってもらえないかのどちらか、どちらかのケースがほとんどです。

そして会話するときは、女性の話を心で聞いて、一緒にその感情を感じてあげることです。このとき、間違っても女性にアドバイスをしてはいけません。女性は、ただちゃんと聞いてほしいだけなのです。ここで一番大切なのは、女性が安心して話せる場を作ることです。

【本田】自分が女性の話をどれだけ心で聞けているか、ちょっと不安になってきました。今日から、ちゃんと話を聞くよう、改めて心掛けていこうと思います。

「完璧」はいないが、「ぴったり」はいる

【本田】他にも、素敵なパートナーとの出会いを求める男女に対して、アドバイスをお願いできますか?

【グレイ】これは男性、女性のどちらにも言えることですが、理想のパートナーと出会うために大切なのは、たくさんの人と出会うことです。うまくいかないやり方を続けても意味がありません。誰にとっても、運命の人は決して1人だけではありません。運命の人は、世界中にたくさんいると思っています。ハードルを上げ過ぎずに、いろんな人とデートしてみることです。完璧な人は存在しませんが、みなさん自分にとってぴったりな人はいます。その人と出会うためには、自分も相手も許すこと、受け入れることが大切です。

そして、気になる人がいたら、ステップバイステップでデートを重ね、相手との距離を縮めていくこと。相手に心を開いていれば、相手が自分にふさわしいかどうか、ただ「分かる」のです。逆に、「その人だ!」と分かるまでは、分からないものなのです。

最後に、どんなに素晴らしい相手とパートナーシップを持っていたとしても、問題はありますし、別れたいと思うときがないわけではありません。ただ、もし相手に問題があっても、運命の人だと思えていたら、「このチャレンジを一生ともに乗り越えていきたい」と思えるでしょう。ぜひ、そう思える相手を見つけましょう!

【本田】なるほど、「理想のパートナーと出会う」ために、男女が気をつけるべきポイントが分かりました。次は、実際に出会った相手と付き合う中で、どうやって関係を深めていけばいいかについてお聞かせください。

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本田健(ほんだ・けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2200万ダウンロードを記録。代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は110冊以上、累計発行部数は700万部を突破。【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/