「あれ、もしかして上から目線って思われちゃったかも……?」独身女性から持ちかけられた恋愛相談に対して既婚女性が答えると、そのつもりはなくても、“ウエメセ”(上から目線)な発言として受け取られてしまうということがあります。元気付けるつもりで言った「独身は自由でうらやましいよ!」という一言が、相手を傷つけてしまったなんてことも。では、独身女性から恋愛相談を受けたとき、既婚女性はどんなことに気を付ければいいのでしょうか。30代の既婚女性たちに聞いてみました。

基本は聞き役、共感できないことはあいまいに話す

「私の話をしてもしょうがないので、基本的には聞き役に徹します。もしも『どう思う?』と意見を求められたら、相手が求めていそうな意見を言うと思います。でも相手が求めていそうな意見が私にとって共感できないものなら、自分の意見ははっきり言わずあいまいにします。うそは言いたくないけれど、否定的なことも言いたくないので」(32歳/サービス)

相談者には自分の話を聞いてもらいたいという気持ちがあるはず。それなら聞き役に徹した方が、相手はうれしく感じてくれそうです。相談なら意見を求められることもありますが、否定的なことは言いづらいもの。「明確な回答を避ける」というのは、人間関係を良好に保つための一つの手です。

相手が望む答えしか言わない

「相談してくる段階で、ある程度の答えを自分の中で出していると思います。でもその答えが正しいかどうか分からないから相談するのでしょうね。相談者は自分の背中を押してもらうことを望んでいるはずです。だから私は相手が望む答えしか言いません。大事な友達だから、応援しているよという気持ちで背中を押します」(31歳/サービス)

友人関係が長いと、「望む答え」もなんとなく予想できるもの。「望む答え」ではなく率直な意見を言ってほしい場合は、前もってそのことを言ってくれることもありますが、そうでないことも。「望む答え」がほしいのか、「率直な意見」がほしいのか。見極めが重要です。

良かれと思って相談に乗ったのに、相手に悪印象を与えて終わってしまった……そんな残念な結果にならないように、相談を受ける側にも気を付けるべきポイントがあるようです。

「男は~」など、全てを知っているように語らない

「『男はこういうものよ』『男なんてね、みんなこういう考えよ』など、男性の全てを知っているような話し方をしないように気をつけています。好きな人や彼氏といった特定の相手についての相談なので、『男は~』というような一般論を求めているわけではないと思います。それに、結婚しているからといって“男を知っている”ふうに話したら、それこそ偉そうに聞こえてしまいます」(33歳/介護)

「こういう傾向の男性が多い」ならまだしも、「男は~○○である」とひとくくりにして定義付けるのはよくないですよね。こんなレッテル張りをすると、上から目線な雰囲気がさらに強まってしまいそうです。

独身時代と対応を変えない

「独身時代から相談事に対しては、本音でズバズバ答えるようにしていたため、結婚してもそのスタンスが変わらないように気を付けています。結婚して言い方が柔らかくなったり気遣うような言い方になったりしてしまったら、逆に変な気がして……私がズバズバ言う性格だと分かって相談してきてくれているはずですので、結婚前と対応が変わらないようにしています」(31歳/サービス)

既婚者からやたら気を遣われると、相談者がなんだか惨めな気持ちになってしまうこともあります。「気を遣われていると感じさせない」という気遣いが必要な場合もあるのですね。

夫の話は極力しない

「相談に乗っていると、『それ、うちの夫もやるよ!』とつい言いたくなるときがあります。でもそれは相手からすればどうでもいい話です。“私の夫”ではなく“相手の恋する男性”についての相談なので、夫の話題は極力出さないように心がけています。仮に相手から尋ねられたとしても、軽く話す程度ですぐに話を本題に戻します」(35歳/飲食店)

夫の話を出すと、ノロケや自慢と取られてしまうこともありますよね。話の本筋にあまり関係がないのなら、話題にしない方が無難です。

せっかく相談してくれているのですから、きちんと答えたいもの。相談の乗り方はさまざまでしたが、共通するのは、「自分と相手のこれまでの関係を踏まえた上で、どう接するかを決める」という姿勢でした。“ウエメセ”にならないことも大事ですが、その前に「相談してくれてうれしい」という気持ちが伝わっているかどうかという点を意識すると、よい関係を維持できそうですね。

神之れい(かみの・れい)
兵庫県神戸市在住のライター。1984年11月5日生まれ。ライターとは無関係の短大へ進学、一般企業で5年ほど勤めた後にライターへ転身。女性向けウェブ媒体で恋愛コラムを中心に執筆中。