さまざまな「不倫」が何かと話題の今年。有名人でなくても、職場や仕事で会う人に対して「怪しい……」と思ったことはないでしょうか。何がきっかけで気づいたのか、働く女性に聞きました。

ベッキーさんや元衆議院議員の宮崎謙介さん、桂文枝さんなど、2016年は年明けから不倫疑惑のニュースが次々と世間を騒がせています。不倫は「ダメ。ゼッタイ。」ですが、ダメと言われても止められない、止まらない人たちはいるものです。オフィスで、打ち合わせ先で、そんな禁断の空気を感じたことはないでしょうか。

「何気ないことから、周囲で起きている不倫に気付いてしまった」……今回はそんな経験を持つ働く女性たちに、どんなシーンで、何をきっかけに気付いたのか、話を聞きました。

道ならぬ恋は“蜜の味”ではありますが……。

Case.1 特定の女性を妙にかばい始めた

「広告系の会社に派遣されていた時の話です。優しくて人気だった上司をサポートしようと、派遣社員はみんな、懸命に働いていました。その部署は他より作業量が多いので、派遣社員をさらに追加で雇うことになったのですが、新入りがかなりのサボり魔だったんです。業務時間中になぜか急にいなくなるので、ろくに仕事も頼めないほど。

私や他の派遣から出る不満を聞いて、最初は彼女に注意していた上司が、ある時から急に彼女の側に付いたんです。しかも『彼女なりに頑張っている。君たち、キツく当たりすぎじゃない?』とかばう始末。その頃から、2人が妙に近距離で話す姿も見かけるようになり、不倫を確信しました」(33歳/派遣)

いきなり態度が変わる、特定の女性の肩を持つ、体の距離が近いなど、比較的分かりやすい「特別感」のサインだと言えそうです。

Case.2 平日昼間、2人で2時間消えた

「入社したての頃、部署の飲み会に1次会、2次会と続けて参加しました。その時、部署内ナンバー2のマネージャー職の男性の隣に、常にくっついている入社6年目の女性社員がいて……酔っぱらった他の社員には分からない程度に、時折視線を絡め合ったり、男性が女性の腰に手を回したりと、注意深く見ているとスゴいんです。

私はお酒をほとんど飲めないので、常にシラフ(笑)。だから、気付いていなさそうな他の社員とは違って、彼らの親密な雰囲気を察知していました。

さらに後日談があります。男性は会社からすぐ近くのマンションに住んでいて、昼休みに2人がその方角へ向かい、2時間くらい帰ってこなかったのを覚えています。確実にクロですね」(24歳/IT)

飲み会でのイチャイチャだけであれば、まだ「酔っていたから」と片付けることができそうですが、「平日昼間の2時間、2人で消えた」となると、さすがに言い訳が効かない気がします。

Case.3 コンビニで酒を買って夜の街へ向かっていた

「前職のIT企業にいた時、上司に聞きたいことがあって彼の席に行ったんです。ちょっと唐突な行動だったかもしれないのですが、上司のPC画面には後輩女子とのメッセンジャーが立ち上がっていて、慌てた様子でそれを閉じました。当時は『ちょっと怪しいな~』というくらいの感覚でしたが、しばらくして疑惑が確信に変わる出来事が。

上司はその後転職したのですが、平日夜に件の後輩女子と2人で、渋谷・道玄坂を歩いているのを目撃したんです。彼はコンビニの袋を提げていて、ビールの缶が透けて見えました。どう考えても、普通の関係じゃないですよね」(32歳/PR)

実際の目撃談ほど確かなものはありません。しかも、当事者を見かけた日時・場所・持ち物が「これから不倫します」的な状況。堂々と歩いていることからも、長い付き合いの可能性は大と言えそうです。

Case.4 嫉妬心が見え見え?

「男女両方が不倫している訳ではなく、女性の方は未婚で若かったりすると、不倫を隠そうとするどころか『少しくらい、周囲にも気付いてほしい』といった態度を取ることがあるように思います。

取引先との打ち合わせには、いつも男性上司のA氏と、その部下の女性Bさんが2人で来ていました。1度だけ、それ以外にもう1人、Bさんよりもさらに若い新人女性が来たことがあったのですが、あからさまにBさんが不機嫌で、新人の発言をやんわりと制してばかり。さらにBさんはA氏の顔を覗きこむように何度も話しかけるし、『ただの同僚で、こんなに仲良さそうにする……?』という印象。

後でその取引先との飲み会があり、その2人が同席していなかったので『仲が良いですよね~』と言ってみたら、『大変なんですよ、察してください』とだけ言われました(笑)。それにしても、男性の方が『バレるから、そういうのやめて』って言わないのが不思議です。バレバレなのに……」(35歳/IT)

恋愛感情を仕事場に持ち込むだけでもなかなかリスキーなのに、不倫ゆえの嫉妬となればなおさら。せめて周囲を巻き込まないでほしいですね。

Case.5 退社時間が1~2分差

「今まで社内で普通に会話していた男女2人(どちらも既婚)が、ある時から急に目を合わせなくなったので、何かあったのかな……と気になっていた私。社員数が10人規模の小さい会社なので、そういった違和感は気付きやすいんです。

その頃から、2人が1~2分差で会社を出ることが増えました。そこで『もしや?』と思ったんですよね。それからしばらくして、2人の不倫が男性側の奥さん経由で発覚し、泥沼に……。束縛魔な奥さんが男性の消し忘れたメールを見て、明らかになったみたい。その後、女性は退職しました」(30歳/不動産)

最後は関係者間で不倫がバレた事例を紹介しました。この女性は「退職しなさい」と圧力をかけられたわけではないそうですが、やはり居づらくなって退職したようです。企業の規模に関わらず、不倫が発覚した後もその会社に勤務し続けるのは、本人にとっても周囲にとっても、キツいものがあるのかもしれません。

不倫や浮気など、人に言えない恋愛は“蜜の味”。でも、万が一バレたらプラスなことは1つもありません。リスクをとってハラハラ感を得るか、最初から危ないことは避けておくか……各々の考え方によるところが大きいでしょうが、後悔してもしきれないような事態だけは、くれぐれも避けたいところです。

池田園子
1986年生まれ。ライター、編集者。楽天、リアルワールドを経てフリーに。IT、マーケティングなどに関する記事が多め。