仕事もプライベートも充実している男性は、婚活の初期段階で「頭が良いキャリア女性」を求めるケースが多いそう。けれども、その出会いのチャンスを女性側がつぶしてしまうというのです。どういうことでしょうか?
デキる男は「キャリア女性」限定で婚活を始める。しかし……
新しい年が始まりました。この1月に出会いがあれば、2016年中の結婚も現実的なものとなります。「今年こそ結婚!」という人は、仕事始めと同時に婚活始めですよ。
さて「去年は仕事だけで終わってしまった。忙しく働き続ける限り、結婚など永遠に無理なのでは……」と年初から弱気になっている人に、良いお知らせです。仕事もプライベートも充実している男性は、頭の良い女性が大好きです。私の結婚相談所でも、一部上場企業勤務で年収600万円を超える男性(以下、「デキる男性」と呼びます)は頭の良い女性を求めます。
結婚相談所で話を聞いていると、「仕事の内容や大変さを理解できるキャリア女性」という要望が出されることも少なくありません。本来、キャリア女性というだけで、デキる男性と結婚するチャンスは普通の女性よりもたくさんあるのです。ただし、現実問題として、キャリア女性の多くはこのチャンスを生かしきれていません。
お見合いを2度3度と繰り返すうちに、デキる男性たちのほとんどは「路線変更」をしてきます。その方向性は毎回同じです。
「キャリア女性と一緒にいても、なんだか話が盛り上がりません」
「やっぱり、キャリアって言うよりも一緒にいて楽しい女性がいいです」
こうして、家事手伝いや仕事を生活のメインとしない働き方の女性たちがデキる男性の視野に入ることとなり、多くは彼女たちと結婚していきます。実は、こうした現象はキャリア女性たちが「気遣いが出来過ぎる」ことによって引き起こされているのです。一体どういうことでしょうか。
無意識の気遣いがプレッシャーに!
婚活の場で会話が盛り上がらない理由、その鍵はキャリア女性の職場での気遣いにあります。
バリキャリ女性たちは部下の気持ちをくみ取り、上司の指示にも従いながら、みんながどうしたら気持ちよく働けるのかを常に考えています。こうして自然と、相手の様子を伺いつつ自分の感情をコントロールして周りに不快感を与えないようにする姿勢が板に付いてしまうのです。
社会人として大正解であるはずのこの気遣いが、婚活では裏目に出てしまいます。どういうことかと言うと、婚活の場において「まず相手の様子を伺った上で、自分の反応をコントロールする」ということを知らない間にやってしまうのです。これは、職場ではオッケーなのですが、婚活では男性にものすごい緊張感とプレッシャーを与えます。
「この人、なんか話が降ってくるのを待ってるな。緊張する」「観察されているみたいで、空気が重たい」と男性はとらえがちなのです。
キャリア女性からすると、出会った男性に不快感を与えないようにしたいという自然なふるまいなのですが、男性は余計に気を遣わなくてはならなくなります。
その結果、「この女性が喜ぶ話題はなんだろう」と考えることになります。こうなると会話は悪路にはまっていきます。男性は「知識や教養レベルがそろっているから話が弾む」という点を求めてバリキャリ女性を望んでいるのに、「女性が喜びそうな話題」を、しかも「レベルの高い話を求めそうな相手」に対して提供しなくてはならないのです。これは大きな負担です。
そして「ああ、この人といると疲れる!」とデキる男性がさじを投げることになってしまうのです。
掘り下げて、盛り上げて。しゃべり過ぎには要注意
では具体的にどうすればよいのか。ポイントはたった2つです。
1つ目は、自分から相手の話題に飛び込むことです。特に仕事についてです。どれだけ社会的地位が高いのかを聞くのではなく、仕事そのものに興味を持って話をふることがポイントです。
例えば男性が商社マンだった場合、「○○さんって、商社に勤務されているんですね。主にどういった分野のことをされているのですか?」とオーソドックスに話に入り、聞き進めていくのがおすすめです。聞いてみたらほとんど興味のない話かもしれません。興味のない分野についての話を聞くのはついつい退屈になるものです。けれども一時的に退屈になったとしても、掘り下げて聞いていきましょう。彼は「この人は話が合うなぁ」と好印象を持つようになります。話をしていてラク、印象が良いという男性に思われることで、初めて女性として興味を持たれるところに至るのです。
男性が仕事の話をするのを好まない場合は、さりげなく彼の趣味や興味関心をもっていることに、話題を移しましょう。そして同じように、退屈でも“掘り下げて、盛り上げて”いきましょう。
2つ目は、相手からあなたについての話題をふられてもしゃべりすぎないことです。
あなたが男性の仕事や趣味の話に退屈することがあるのと同様に、男性もあなたの話を長く聞くのは疲れます。初対面の人と会話をする場合、お互いのパーソナリティーがまだつかめていないため、相手の話に興味を持ちにくいものです。だから通常以上に長時間聞き手に回るのは辛いのです。疲れさせると、話の内容ではなく「この人と一緒にいても安らがない」という印象だけが残ります。だから、長くしゃべり過ぎないことがポイントです。
相手を思いやる本当の気遣いとは?
長く話し過ぎることなく相手を退屈させないためにはどうしたらいいのか。それには「意外なネタ」を用意しておけばよいのです。
例えば趣味がボウリングだったとします(渋くてすみません)。この時、ストライクをからめてどれだけのハイスコアをたたき出せるかといった“男性のスキル”と比較ができ優劣がつく内容について熱弁を奮ってはいけません。「ボウリングの貸しシューズってダサくないですか? この間教えてもらったんですけど、実はあれ、盗難防止のためなんですって」などと展開していきます。
仕事や趣味において誰もが知っているテーマであり、その中で知られていなさそうな面白いネタはなんだろうと日頃から考えて準備しておくことで、相手を退屈させないメリハリのついた会話を行うことができます。こうした工夫により「話題が豊富で興味深いし、やっぱり話が合う女性だな」と、男性の心をつかむことができます。
プレジデントウーマンオンライン読者のみなさん、行き過ぎた気遣いで、自分の印象を悪くしてしまうことは避けましょう。そして、世間にもまれて働く女性ならではの魅力を、早速新年から生かしていきましょう!
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。